仲直りのしるしのような「離婚約」を作成しておく
再びもめないためのルールがお互いを幸せにする
一度夫婦関係が壊れかけて、やり直しをはじめた時はお互いにぎこちないですよね。
そんな時だからこそ、仲直りのしるしのようなものを残しておくといいです。
夫婦関係の再構築を目指してやり直しをしよう!
と決めたら、おすすめしたいのがプレナップ(婚前契約書)です。
もう結婚している夫婦が再構築する場面では、正式にはプレナップのようなものを作ろう、という提案です。
最近では、離婚の約束をあらかじめする、という意味で『離婚約』という言葉で言われたりもしますよね。
ここでは、婚前契約書の考え方を離婚と復縁にあてはめてみたらどうなるか、という視点で紹介します。
婚姻継続の契約書
プレナップ(prenuptial agreement)とは主にアメリカで行われている習慣で、 婚前契約 のことです。
結婚前の男女があらかじめ夫婦生活に関するあらゆる事柄(生活上の義務、資産の取り扱い、離婚の条件など)について取り決めを行い、契約書を作成することです。
よく、海外のビックアーティストがとてつもない契約をしたりしてニュースにもなっていたりします。
彼らは結婚前に、もしも別れた際の慰謝料をあらかじめ決めておく場合があるんです。婚約から結婚がなかなか決まらないのは条件でもめたケースも多いようです。
ハリウッドスター同士が、別れた後に相手をけなすのをあまり見たことがありませんね。
離婚会見でも「カレとはいまでも親友です」「子供にとっては、すばらしい父親よ」などと自分たちのことには触れないで、みんな冷静に笑顔でコメントします。
人気商売イメージ重視のハリウッドでは、それが当たり前のことだそうです。
「覆水盆に返らず」ということわざ通り、もう終わったのだから、次へ進みましょう、ということのようです。
日本でも、財産がある場合に、結婚前に、『離婚したらどう分配するか』という登記ができるのと似ています。
でも、日本では、仲がいいときは盛り上がるだけ盛り上がり、悪くなったときのことなど「縁起でもない」と考えもしません。
別れるときは、悪口三昧の泥試合で・・・・
確かにアメリカは多民族国家なので、人々の間に明確なルールを持つ必要があって、リスクマネージメントを第一に考えます。
だから、始めに 契約書 ありき、そこにあらゆる可能性についての対処法をあらかじめ書いておくのです。
そうすれば、お互いの戒めにもなりますし、何が起きても紳士的に対応できます。
その方が男も女も案外長続きするかもしれませんよ。
結婚前のラブラブの時期に、離婚に直面したときのことを話し合うのはなかなか困難ですが、一度つまずいて本気でやり直そうとする夫婦であれば、その必要性も感じてもらえるはずです。
修復時に「婚姻契約書」と「離婚約」をする
プレナップは主に、離婚をしたときに財産をどう分配するかを取り決めるものですが、結婚後の夫婦の生活に関するさまざまな取り決めをするものでもあります。
本来は、結婚前にする契約ですが、結婚生活が経過する中でも見直しも行われます。
夫婦関係を修復していこうとするときに、2人で行う共同作業の一つとしてプレナップをみならって「婚姻継続の約束」に取り組むこともおすすめできます。
- これまでどんなことで夫婦生活にすれ違いが起きたのか?
- 二度と同じ事を繰り返さないためには2人の間にどんなルールを取り決めしておけばいいのか?
などを話し合うことが、夫婦の価値観の違いを確認することにもなり、歩み寄りの作業にもなります。
夫婦が結婚生活をうまくやっていくために、生活に関するさまざまなことを取り決めする。生活内容に密着したことをじっくり話し合うきっかけとしても、とてもいいと思います。
たとえば、これから仲良くやっていくために、
- 1週間に一度は二人で外食をする
- 1年に1回は海外旅行に行く
- 理由もなく外泊しない
- 家事は半々に負担する・・・・・
などです。
約束を守れなかったときのペナルティ なども決めておくといいかもしれません。
これが、離婚の約束をすることを意味する『離婚約』です。
勢いや感情的になって、離婚に突っ走ってしまうよりも、再構築の時点で一度冷静になると見えてくるものもありそうですね。
相手のことが嫌になって、すぐに離婚して、後悔してみても、時間は戻りません。
離婚をしてみて「やっぱり、もっとよく考えればよかったかも……」と思うより、約束事を決めてもう一度やり直す時に『離婚約』を決めるといいですよ。
離婚の約束をあらかじめ条件で決めておくことによって、夫婦関係がいい方向に変わることもあります。
『離婚約』をして浮気を封印させた例
浮気というのは、された方にすれば、ほとんどの方が”許せない”気持ちを持つものですよね。
でも、浮気が発覚したら離婚したい、という気持ちはあっても、離婚後にどうやって生活するか、と現実的になると、なかなかすぐに離婚できないものです。
離婚をするにしても、「浮気をされたから、すぐに別れる」という場合、あわただしく慰謝料や養育費などを取り決める必要があります
もし、離婚約をしてから離婚する場合は、じっくりと考えたメリットのある経済的な環境を作ることができますよね。
度重なる浮気に耐えかねて、いきなり家を出ることにしたときでも、「離婚約」をしておくことで、まず、経済的なことへの不安が解消されます。
精神的な準備もできるんですね。
とりあえず、お試し期間として離婚前に別居をする項目を作っておいた夫婦もいました。
その後、「経済的な安定と、気持ちの整理ができたら正式に離婚する」という項目も設けていました。
ところが、実際に別居をしてみると、夫婦でお互いに相手のいいところが認識できたんです。
- 「もっと自分にも努力できたところがあったかも」
- 「この勢いで離婚してもいいのか?」
というお互いに思い、離婚約から1年たった夫婦は、夫婦関係の修復を二人でやり直すことに決めたのです。
それ以降は、別居する前よりも、お互いを尊重しあって、浮気心もかなくなり、かえって夫婦関係が改善したそうです。
ただ、離婚したいという原因が「相手の浮気・不倫」だったら、戦略的にも誰に目にもわかる「証拠」だけは確保しておくべきです。
たとえ今、浮気を認めて反省していたとしても、そういう性格の人は後々「証拠を見せてみろ」と手のひらを返すことが多いからです。
夫婦の関係を再構築する際には、万が一うまくやれなくて、やはり離婚する場合に必要な取り決め事項に関しても、ここで一度取り決めしておくのもいいかもしれません。
二人で決めたことは紙などに書き出して、お互いにサインをしておくと、より「プレナップ」らしい体裁になります。
このようにして、二人の今後の将来像について思いをはせるのも有意義なのではないでしょうか?
離婚約は法律上どうなの?
離婚約って、離婚を予約するような感じですけど、法律上はどうなんですか?
離婚すること自体に条件をつけるような、離婚の予約は法律上、無効です。
だから、たとえ離婚約の合意をした文書を書面で作ったとしても、後から「やっぱり離婚することをやめた」としても、何も法律上の義務を負うことはないんですね。
もちろん、離婚することがありきで、決めた財産分与や子供の親権者などの項目も効力がない、とされています。
だから、離婚約をしても、その後に気持ちが変わって離婚をしたくないと思ったのに、相手が離婚届を提出されてたら、離婚の無効を主張もできます。
離婚届を勝手に提出されないように、あらかじめ役所に申請して、離婚届を受理しないようにしておく制度があります。
やはり離婚かもと思ったらまずは財産チェック
言葉だけはやり直したけど、離婚約がもともと法律上無効となると、心の中では『離婚したい』気持ちがとどまってしまいますよね。
心の中では離婚したいと思いつつ、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
特に、離婚後の財産のことについては話し合えないとこじれることも多いです。
離婚したいと思ったら、ある程度、家にある財産を把握していると、心の余裕を持つことができます。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
電化製品など細かいものは後回しです。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
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