車も財産分与の対象になる
結婚後に買った車が財産分与の対象
結婚してから家族で使うために 車 を買ったんですが、
離婚する時に自動車も財産分与の対象になるんですか?
もちろん、「車」も財産分与の対象になります。
エンジンは夫のもの、タイヤは妻の私、
というわけにはいかないですよね。
ましてや、ローン付きの車をもらうことになったら、「車」+「ローン」で負の遺産にもなりかねません。
離婚する時に夫婦で築き上げた財産を処分するのが財産分与なので、車 ももちろん財産です。
で、離婚のときは車をどうやって分けるのか、考えてしまいますよね。
ローンが残っていたら、また喧嘩の種になってしまうし・・・・
そんなマイカーの財産分与ですが、処分する3つの順番で確認します。
財産分与で自動車を分与する際の3つの順番
財産分与で車を処分する方法は3段階にわけて考えます。
ひとつずつチェックしていきます。
財産分与できる車ってどんな車なんですか?
夫婦が結婚して購入した車ですね。
財産分与は、婚姻期間に二人で築いた財産を分与する、ということなんですね。
だから、「結婚前から持っている」車とか、「実家からもらってきた」車とかは対象にならないんです。
まずは、財産分与の対象になる車かを見分けます。
結婚して購入した車であれば、原則として、車の名義は夫であろうが、妻であろうが関係ありません。
財産分与の対象にならない車とは、
- 結婚前から持っていた車
- 実家から贈与された車(または相続した車)
です。
これらの車は夫婦二人で築き上げたうちには入らないので、財産分与の対象にはならないんです。
また、結婚前の貯金で購入した車も対象にならないのですが、夫婦でお金の使い方あたりをきっちりできていないと微妙ですよね。
逆に、実家からもらった車でも、
夫婦2人が協力していい状態が今でもキープできていれば、財産分与の対象になることもあります。
車が財産分与の対象になることがわかったら、今の車がいくらの財産価値があるのかをチェックします。
中古車の車買取をしているところで査定を依頼すれば、
今の車を売却したらどれくらいの価格になるかすぐにわかります。
わざわざ近所で、中古車屋さんを探す必要はありません。
車検証で、車の型式や年式を確認しながら入力するだけです。
車の査定価格がわかったら、その金額次第で、車を使うかとか処分するとか決めるんですよね?
そうですね。
大きくわけて、車を売却するか、どちらかが乗り続ける、というパターンがありますよね。
ただ、自動車ローンが残っているケースは、財産価値としては査定額からローン額を差し引くことになりますね。
- 売却するケース
- どちらかが乗り続けるケース
のどちらかになりますね。
車を売却して換金する場合
売却 して換金するなら、車の売却金額を、購入した時の負担割合で分けるのが通常の方法です。
例えば、
300万円の車を買ったときに、
- 夫が200万円
- 妻が100万円
負担したとします。
負担割合は夫が3、妻が1になりますね。
ここで車が100万円で売れたとします。
夫の財産分与分は、
- 100万円×(3/4)=75万円
妻の財産分与分は、
- 100万円×(1/4)=25万円
になります。
もし、夫婦二人の財布から車を購入していたら、財産分与の割合(たいていは夫婦2分の1ずつ)で分けます。
車を乗り続ける場合
乗り続ける なら、どちらがより必要としているのかといった事情も考慮して、どちらの所有にするのかを決めます。
その上で、お金に換算して、乗らない方に負担額を割合で支払うことで清算することになります。
売却した時のように、車を買ったときの負担割合で分けるんですね。
負担額を支払うことで、公平にどちらも損得がないことにあるからです。
自動車ローンが残っている場合
離婚の時点で 車のローンが残っている こともありますよね。
その場合は、査定額からローンの額を引いた金額が、財産分与の金額になります。
ここで、ローンの方が多い場合(いわゆるオーバーローンの場合)は、
ローンも借金の一種なので、本来はそれぞれ負担割合で分けることになるのが筋です。
そういう風にしてもいいのですが、裁判となって判決となると、
オーバーローンは財産分与の対象とならないで、借金をした人が支払うとすることが多いです。
離婚したいと思ったら言い出す前に財産チェック
離婚のときに問題になるのは、子どものこと・財産のことがほとんどです。
たいていの場合、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
どちらかが離婚を言い出してしまうと、険悪な雰囲気になってしまいます。
だからこそ、車や自宅を購入しているなら、ひそかにこの家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいい、ということ。
特に、自宅を所有していて離婚する時に、住宅ローンがあると、財産がゼロになる可能性もあります。
先に」いくらでも持って行っていい」なんて言ってしまったら、その後の人生が詰んでしまうんですね。
財産分与で損しないためには、自宅の価値を把握しておくことを後回しにしなければ大丈夫です。
車の場合と同じく、住宅ローンがある土地や家屋不動産は、まずは現在の価値がどれくらいあるか、ということから計算します。
現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
現在の価値から、住宅ローンを引いた額が財産分与になるからです。
簡単な計算方法は→住宅ローンがある場合の、財産分与の計算方法