財産分与だけは「納得がいかない」とならないように
家を出て行った妻から、「離婚したい」と言われ、
離婚原因がこちらにあるように、
やってもいないことをでっちあげられたりすると、納得できないですよね。
子供も一緒に連れていって会えなくり、
離婚訴訟を起こしても負けてしまう。
たとえ、妻の離婚請求が認められなかったとしても、
現在の司法の運用を前提にする限り、妻子を家に連れ戻すことはできません。
妻子の生活費である婚姻費用の請求も続きます。
そんな、妻からの離婚請求に納得できないことがあっても、
財産まで取られてしまったら、自分の今後の生活もままなりません。
せめて、財産分与だけは納得ができない、ということにならないように
実際の例を通して、準備しておくポイントを紹介します。
納得のいかない離婚請求をされた(離婚体験談)
45歳の男性で、妻は専業主婦。
結婚歴は13年で、子供は1人の夫が、妻と子供が突然家を出て行った話です。
昨年、海外での長い単身海外赴任生活が終わって、やっと日本に帰ってくることができたんですよ。
これから妻子と落ち着いた暮らしを楽しもうと思っていた矢先、
妻が子供を連れて家を出たんです。
そして、子供と会えないまま、あれよあれよという間に調停→訴訟と離婚話が進んじゃったんですよね。
話し合いはあったのかな?
未だに妻がなぜ離婚したがっているのかよくわからないんです。
調停でも離婚したい理由を何度も尋ねたんですが、理解できる答えは一度として聞けなかったんですよね。
小さないさかいはあったけど、それはどの夫婦にもある程度のことだったし。
いったいボクの何が気に入らなかったのかすらわからないんですね。
離婚訴訟の訴状にはどんなことが書いてあったんだい?
妻からの訴状には、かいつまむとこんなことが書かれていたんです。
どれも反論できることばっかりです。
- 妻が風邪を引いても看病しなかった
→ボクはいたわっていたつもりだった。優しい言葉はかけなかったかもしれないが、家事や育児を代わりにやっていた。その時は「ありがとう」と言っていたじゃないか!妻への思いやりの欠如じゃない。
- 10年間のセックスレス
→10年間、一度もそれについて語ってこなかった。
今更何でそんなことをいいたんだ!
- 会社が最優先で妻子をほったらかし
→会社から金をもらっているからこそ、妻子を養えるんだ。会社を優先させるのは、妻子を大切にするゆえんなんだ。それをわかってもらえないから、いつも口論になるんだよな・・・・
- 暴言によって精神的苦痛を受けたとして300万円の慰謝料請求
→口論になったことはあったが、そんなにひどいことを言ったつもりはない。妻
だって、売り言葉に買い言葉で応酬していたはず。お互い様じゃないのか?
正直、たいしたことは書かれていなくて、離婚の理由として納得いかないんですよね。
確かに、こんなことで離婚が認められるのであれば、結婚した意味がない、と思いますよね。
それで、調停と離婚訴訟はご自身でされているんですか?
調停は自分だけで対応したものの、裁判では弁護士に依頼しました。
でも、その弁護士は『意地を張っていてもしょうがないから離婚しなさい。
意味のない意地を張るのはやめなさい』と強い調子で言うばかりなんです。
ボクは意地を張っているのではなくて、離婚したい理由をきちんと説明して欲しいだけなんですけど。
自分の弁護士すら、気持ちや言い分を全く理解してくれないで
相談に乗ってもらうはずが、ケンカのようになってしまうと離婚訴訟もうまくいかないですね。
今の裁判所は、離婚訴訟に関してはどうしても男性側が不利な立場に置かれがちですからね。
しかも妻から出てくる書面には、ボクの人格を攻撃するような内容ばかりが書き連ねてあるんですよね。
いい加減、精神的に消耗してしまい、やむなく離婚に応じることにするつもりなんです。
しかも、ボクが100万円の慰謝料を支払う、という内容で。
子供とは会えているのかな?
今にいたるまで、子供とは会えないままですよ。
いったい結婚とは何だったんでしょうか?
ボクが悪かったんでしょうか?
そもそも裁判官や弁護士は誰の為にいるのか?ってそんな疑問にとりつかれて、新しい一歩を踏み出せずにいるんです。
この場合は、仮に離婚に応じるとしても、裁判所で話し合いの場を作ってもらうこともできるはずだね。
家庭裁判所での話し合いを通して、子供の面会を含めた形で協議することも可能だよ。
その結論を変えるには、上訴して高等裁判所に訴えを提起しなければなりません。
妻のわがままによる離婚であることを明確にするために
「妻がこちらに慰謝料(解決金)を払うのであれば別れてもいい」という態度で臨むことができるかもしれません。
そういった可能性があることを前提に最後までともに戦ってくれる弁護士を見つければ違う展開になります。
財産までとられないようにしたい
妻からのわがままな離婚請求には、男性側は対抗するのは難しいことが多いです。
今の裁判所は、離婚に関しては、子供を連れて行った女性に有利に展開するようになっているので、
よほどの証拠がないと、男性側に勝ち目はありません。
女性の側が浮気した場合ですら、親権は女性側になってしまうくらいです。
夫の方は仕事をしていて、離婚について考える時間も少ないことが多いです。
離婚を妻から言い出されたら、すかさず対策だけでも考えておいたほうがいいです。
人生の節目で納得しないままにしない
確かに離婚すれば、金銭的負担は子供の生活費である養育費のみになるので、経済的なメリットはあります。
妻子の生活費である婚姻費用を出さずにすみます。
とはいえ、離婚という大きな人生の節目をそれなりに納得のいく形で進めていくことは、
今後の人生を歩んでいく中でとても大事なことです。
自分の言い分は間違っておらず、離婚請求は妻のわがままに過ぎないと言うことを、
離婚訴訟で明確にすることを最優先したい場合もあります。
そのような場合は、離婚に応じず、妻の離婚請求を裁判所で棄却してもらって、
その上で、再度、今後の人生を落ち着いて考える方がいい、とも言えます。
やはり離婚だな、と思ったらまずは財産チェック
離婚したいと思いつつ、夫婦のどちらかが、
離婚を言い出したら、二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
特に、離婚後の財産のことについては話し合えないとこじれることも多いです。
できるだけ早い時期に家の財産チェックをしておいた方がいいです。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
家の財産までとられて、自分が住宅ローンを払って住んでいる家までとられてしまったら、元も子もないです。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
ネットでならおよそ60秒で、かんたんに自宅の不動産価格がわかります。
→売ったらいくらかチェックしてみてください(無料です)