どうしても離婚したければ一審で負けてもあきらめる必要はない
離婚裁判に至るまででも、協議→調停と時間をかけているので、離婚裁判にまでなると、意地になってしまうところもありますよね。
離婚裁判の最初はまず家庭裁判所で行われます。
この判決に不服がある場合は、通知を受け取ってから2週間以内に高等裁判所に控訴ができます。
期間内に不服の申立てがなければ、判決は確定します。
離婚裁判の第一審は家庭裁判所、第二審は高等裁判所、第三審が最高裁判所になります。
離婚裁判も憲法に基づいて第三審まで受ける権利を保障されています。
家庭裁判所から高等裁判所に控訴する場合には、家庭裁判所の判決に事実認定の誤りがあったことや、判断が法律に違反していることなどを控訴理由とすることができます。
つまり、控訴の理由に制約はない、ということです。
高等裁判所の審理は家庭裁判所の事実審理を引き継ぐもので、事実認定を覆すこともできます。
高等裁判所での離婚裁判
離婚裁判の結果は、「離婚しなさい」か「離婚できない」のどちらかしかないので、結果としては単純なんです。
ただ、その理由について納得がいかない場合もあったりします。
原告が離婚を求めたのに、被告が「請求棄却」を求めて争っていた場合
この判決としての結果は、
- 離婚が認められて原告が勝つか(原告が離婚できる)
- 離婚請求が棄却されて被告の勝ち(離婚できない)
となるのかのいずれになるので、この場合、負けた方が高等裁判所に控訴できます。
原告が離婚を求めたのに、被告も逆に離婚を求める反訴を提起した場合
この判決としての結果は、
- 原告の離婚請求を認めて離婚判決をして、被告の離婚請求を棄却する
- 原告の離婚請求を棄却して、被告の離婚請求を認めて離婚判決をする
- 原告・被告とも離婚請求を認めて離婚判決をする
という結果になります。
これは、相手の主張する離婚理由については争って、自分の主張する離婚理由によって判決してほしいという場合です。
離婚は認められたけれど、親権者指定やお金の問題についての判断について不満がある場合も、一部敗訴部分について控訴できます。
家庭裁判所で審理するのにおよそ1年くらい、さらに控訴までしているということは、離婚でいがみ合っている期間は相当長いですwww
その間ずっと互いに争っているので、離婚を認める裁判について、家庭裁判所と高等裁判所で判断がどう違うか、については争い続けていること自体が婚姻破綻しているという認定の事情となることはよくあるケースです。
最高裁判所での離婚裁判
最高裁の裁判では、事実関係についての争いは認められません。
最高裁判所への上告は、原判決の判断が憲法に違反していること、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があることだけを上告理由とすることができます。
事実認定を理由に上告ができないのです。
最高裁判所で原審の判決をひっくり返した有名な事件が昭和62年にあった、有責配偶者からの離婚請求を認めた判決です。
これは、「有責配偶者であるために離婚請求を認めてもらえないのは法令違反である」が上告理由になります。
事実認定を理由に上告できないとは、「私は有責配偶者ではない」とか「相手は有責配偶者である」ことを理由にはできない、ということです。
適法な上告理由がないという理由で上告棄却となる場合は、上告が受理されてからさらに数ヶ月かかります。
法律的な解釈が必要なくらいの離婚の相談をしたいならば、最終的には弁護士に相談したほうがいいです。
→離婚したいと思った時に弁護士にする離婚の「相談」と「依頼」