子どもが自立するまで = 過去の判例でも明確な基準がない

養育費の支払い期間は通常、成人するまで


養育費は、子供が成長していくために必要なお金ですよね。

 

お金の問題なので、

 

養育費を支払う方はできるだけ少ない負担と短い期間で、

 

養育費を受取る方はできるだけ多くそして長く、

 

と考えるのが通常です。

 

一般的には、子供が成人するまで、と考えられていて、成人=20歳なんですね。

 

成人するということは、子どもが親から自立するということです。

 

法律上は「子供が扶養を要する」状態でなくなる場合です。

 

ただ、高校卒業と同時に就職する子もいれば、大学進学する子もいますよね。

 

平成30年6月に、民法の成年年齢が18歳になる内容の民法の一部を改正する法律が成立して、

 

いったいどう決めればいいの?と悩む条件が増えてしまいました。

 

何歳まで養育費を支払わなければいけないのか、については裁判例としてあるわけではないんです。

 

それぞれの家庭で経済的にも、違う環境にあるので、一律に決められないんですね。

 

だから、養育費を何歳まで支払うかは、最終的には父母の話し合いで決めることになります。

 

基準としては、「子供が自立」する時までです。

 

民法の改正の情報や、養育費の取り決め方法について、紹介します。

 

 

 

養育費を何才まで支払うかは子どもの自立がポイント

 

養育費の支払いは一般的には、子どもが社会人として自立するまでとされています。

 

家庭裁判所の調停や審判では、養育費の支払いは満20歳までが一般的ですが、

 

高校卒業や大学卒業まで、つまり子供が満18歳や満22歳までと決めることもあります。

 

子供が自立する、と言っても、身体に障害を抱えた子供や、裕福な家庭の子供だったり、一般的なサラリーマンの子供だったりで、それぞれ違う意味がありますよね。

養育費の支払いを、子供が自立するまで、と考えるのですが、養育費の支払い期間も「子どもの自立」をいつまでとするのかがポイントになってくるんですね。

子どもにとっては、

 

離婚したからといっても、本来送ることができた生活や教育レベルが落ちることのないように、養育費で最善の方法を考えてあげようということなんですね。

 

養育費がいくつまで、と決まっていないのは、大学進学や就職とか、子供の自立の意味が違うからなんですね。

養育費の支払い期間も、必ずしも成人になる、という一定の基準があるわけではないのもこのためです。

それぞれの家庭の事情のケースによって養育費の期間は異なってきます。

 

養育費は大学に進学するなら22歳まで

大学進学まで養育費を払い続ける

 

最近よく問題になるのが、大学進学の費用、大学費用が養育費として請求できるか、ということです。

 

最近では、およそ50%の子供が高校卒業後、大学に進学する時代です。

 

大学に進学したとしても、養育費の支払いを20歳で止めてしまうなら、その後は子供がバイトなどで学費等を稼がなくてはいけないですよね。

 

大学費用を養育費に含ませるとなると、子供が22歳まで養育費を支払うことになります。

 

子供が大学に行って年齢的には20歳を超えたとしても、学校とバイト収入では、子供が自立した、とは言えないですよね。

バイト収入では、大学の学費や生活費をまかないきれませんからね。

 

法的にも「子供が扶養を要する状態」にかかります。

 

その場合、養育費を支払う方が合意すれば、大学費用がかかる22歳まで、とされます。

もし、大学卒業の予定となる22歳まで、養育費の支払いに応じないのであれば、家庭裁判所でも、「養育費請求調停」という調停もあります。

養育費請求調停(裁判所のサイトへ)

 

養育費を支払う判例の基準

 

大学教育を受けさせる資力がある父親への請求が争いになった判例がありました。

 

判例では、

その子どもに大学進学の能力がある限り、大学教育を受けさせるのが普通課程における世間一般の通例

として養育費を認めています。

 

判例も具体的には親の資力学歴といった家庭環境によって判断しています。

 

子供を育てるにはお金がかかります。

 

その際に、あてになるのは離婚の時に決めた財産の処分方法です。

 

離婚したいと思いつつも、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。

 

「子供はどうやってそだてるんだ!」

 

「今までどおり私が育てます」

 

「進学にかかるお金はどうするんだ」

 

「・・・・」

 

離婚の話の中で、お金がからむと、こじれて「離婚」も話し合えないとも多いです。

 

お金が今、どれだけあって、どれくらいかかるかわからないから不安にもなってしまうんですよね。

 

だから、離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいいです。

 

大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。

 

その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、養育費を含めた離婚条件を有利に展開できる可能性があります。

 

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今の子供が成人した年齢は何歳?

 

ここ最近、ニュースでも話題になっているのが、「成人」の規定が変わる規定です。

 

成人年齢を20歳から18歳に引き下げるのがメインですね。

 

養育費の期間にも関わってきそうですよね。 

結論としては、養育費の期間を、子供が「成人するまで」と決めていても、実質的に大きくは関係ないですね。

成人年齢の見直しは、1876(明治9)年に満20歳とされてから、約140年ぶりです。

 

平成30年に民法が改正されて、令和4年4月(2022年4月1日)から、成年年齢が20歳から18歳になります。

 

一生に一度あるかないかのイベントになりますね。

 

一番気になるのは、

 

今の子供が何歳になったら成人になるの?

 

って事ですよね。

 

結論は、2021年現在の17歳から18歳が、民法の変わる令和4年4月(2022年)にみんな「成人」になります。

 

わかりやすく計算できるように、簡単に表にしてみました。

 

2021年(今) 17歳 18歳 19歳
2022年 18歳 19歳 20歳

 

「成人」になったら、できなかったことができるように変わる事といえば、

  • お酒が飲める
  • タバコが吸える
  • 結婚できる
  • クレジットカードが作れる
  • 資格試験を受験ができる

などなど・・・

 

女性が結婚できる年齢を男性と同じ18歳以上にしたりする変更される条文も多々ありますが、どれが影響してどれが影響しないのかは、いろんな場面で出てきます。

 

養育費の期間を決める際に「子どもが成人するまで」と決めたとしたら、どうでしょう?

 

法律の規定きっかりにあわせると、子どもによって18歳から20歳ということになりそうですよね。

 

成人年齢が引き下げられても養育費が打ち切りにはならない

 

成人年齢が20歳から18歳に法律で決まったら、

 

養育費をもらうのも20歳までと決めていたのが、18歳になっちゃうんですか?

養育費の取り決めをした時点で20歳なら、そのまま20歳までです。

確かに、法律で成人年齢が縮まったら、養育費の契約期間も縮まってしまいそうと思えますよね。

 

でも、法務省の公式ページの見解でも、「養育費の支払義務」は変わらないことが書かれています。

成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について(法務省のページ)

 

平成30年10月4日時点で、ここには

成年年齢が引き下げられたからといって,養育費の支払期間が当然に「18歳に達するまで」ということになるわけではありません。

と書かれていますね。

 

当然と言えば当然ですよね。

 

国の法律が変わったから、今までしていた契約も合わせなさい、っておかしいですからね。

 

これって、民法じゃなくてもほかの法律でも同じように解釈されているのと同じようなものです。

 

例えば、建築基準法では耐震基準に合わない昔の古いマンションでも、

 

建築基準法の耐震基準が変わったから、取り壊して契約がなくならないのと同じ意味合いです。

 

ただ、今から養育費の取り決めをするなら、終期が明確になるように

 

「成人するまで」よりも「20歳になるまで」

 

と決めたほうがいいですね。

 

 

養育費の支払いパターン

養育費の支払い方法

 

養育費の支払いについては、

  • 月払いか
  • 一時払いか

それとも

  • 大学進学などの人生のイベントが発生する後か

という選択肢があります。

 

養育費は毎月、定額で支払い続けるパターンとは限らないんですね。

少なくとも、今は法律上の決まりはないですよ。

支払い方法と金額を総合的に判断して、子どもに不利益が生じないように慎重に考える必要があります。

 

支払う人が、不誠実な性格で信用がおけない、経済力にも問題があるような場合には、

 

額が低くても一時金で受け取る方が結果的には得、ということもあります。

 

月払いや、事象が発生するごとの支払いでは、どんな方法で払ってもらうのがいいか、という問題があります。

 

子供の口座に養育費を振り込んでもらう方法

 

銀行や郵便局に子ども名義の口座を開いて、振り込んでもらうのが一番いい方法です。

 

そうすれば、領収書もいらないですし、渡さないという争いが起きることもありません。

 

相手も子供の名前の口座なら、親心が出るはずです。

 

何かの状況で、一方の親だけが負担した過去の養育費も、後から分担するなどして支払ってもらえる可能性があります。

 

 

再婚したら養育費はもらえなくなるの?

再婚しても養育費は続く

 

再婚したら、新しい親と一緒に育てることになる。

 

だから、元夫からは養育費はもらえなくなる?、と思ってしまいますよね。

 

養育費は、子供の権利なので、再婚したからといって法律上の扶養義務がなくなるわけではありません。

 

養育費の支払い義務は継続します。

 

養育費の金額の調整が難しかったら、家庭裁判所の調停を利用します。

 

もし、不払いが続いたら弁護士に依頼する方法もあります。

 

3年前に離婚した35歳の女性です。

 

今は8歳の長女と7歳の長男に関して、元夫から養育費をもらっています。

 

このたび 再婚 することになりますが、元夫からの養育費 はもうもらえないのでしょうか?

再婚したからといって当然に養育費がもらえなくなるわけではありません。

 

再婚したら、子供たちは、新しい夫とはどういう関係になるの?

2人の子供達は、新しい夫に養子縁組してもらいました。

となると、養子縁組をした再婚相手が子供を扶養することになるわけですね。

 

でも、元夫と子供が父子関係にあることには変わりがないので、元夫の養育費の支払い義務は継続します。

でも、新しい夫がそれなりの稼ぎがあると、養育費はもらえなくなっちゃうんでは?

新しい配偶者の経済状況によっては、養育費減額の対象になります。

 

養子縁組したら、新しい配偶者にも子供の扶養義務が生じることになるので、減額は認められやすくなります。

子どもを養育する親が、再婚しても、それだけでは 養育しない方の親が、養育費の支払いを中止する理由にはなりません。

 

新しく再婚相手が親になった、というだけでは、新しい親が子どもの生活保持義務を負わないからです。

 

再婚して養育費が減額されたりもらえなくなる場合

再婚して理由があれば養育費が減額の対象になる

 

再婚しても、常に養育費がそのままもらい続けることができる、と考えられてしまいいがちですが、もちろん理由があれば減額されることもあります。

 

再婚しても養育費が減額される理由には、再婚する方と、養育費を支払う方との理由にもよります。

 

たとえば、子どもと養育する親の再婚相手が養子縁組した場合には、養親にも子どもの生活費を負担する義務が法的に生じることになります。

 

再婚後に、連れ子が養子縁組したのなら、離婚して養育しない方の親が、支払うべき養育費の減額が認められる場合があります。

 

再婚しても、養育費をもらい続けることができるか、は養育費をどうやって決めたかによっても違いがあります。

 

養育費を家庭裁判所や公正証書で決めているなら、元夫から減額調停を起こされて減額が認められない限り、これまで通りの金額を受領できます。

 

家庭裁判所や公正証書での取り決めをしていなくて、再婚を知った元夫が支払わなくなったのなら、家庭裁判所に申立をして養育費の適正な額を決めてもらうことになりますね。

 

  • 調停・離婚訴訟・公正証書で養育費を決めた:勝手に減額できない
  • 離婚時に話し合いで養育費を決めた:勝手に減額されたら、離婚後に家裁で調停

 

離婚したときに、すでに再婚相手も決まっている、もしかしたら再婚するかも、というなら、養育費の減額をされないように、きっちり決めておくべきです。

 

養育費は通常「子供が成年になるまで継続的に支払う」という約束をしていることが多いものです。

 

ただ、自分が再婚した事を知ったから、養育費がストップした、ということもあります。

 

養育費の支払いがとどこおってしまっていたら、弁護士に相談した方がいいです。

 

養育費は子供にとっての権利で大事なお金です。親の自分が泣き寝入りするのは子供への約束も自分が破っていることになりますからね。

 

 

養育費の期間(まとめとアドバイス)

 

離婚時には特にお金に関しての条件をしっかり決めさえすれば、離婚後でも生活に困る事はほとんどなくなります。

 

逆に、お金の事をしっかり把握しないまま、感情と勢いで離婚してしまうと、あとあと大変になってしまいます。

離婚の条件で後々後悔しないために必ず決める2つのこと

 

離婚 住宅ローン

     

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