家にいるのに別居?
家庭内別居は心の距離の問題
”家庭内別居”という言葉を聞いて、いいイメージはないですよね。
同じ屋根の下に一緒にいるのに、別居状態。
夫婦というより、単なる同居人です。
なんとなく、じめ〜っとして、会話のない家庭を想像できます。
そういう状態が家庭内別居なんですが、家庭内別居の定義というものが法律で決まっているわけではないんですね。
だから、家庭内別居と言っても、その深刻度合いによって、離婚できるかの判断が違ってきます。
ここでは、家庭内別居の定義をつけるとした場合と、本当の”別居”として含まれるのか、について詳しく説明しますね。
家庭内別居の定義とは?
なんとなく仲の悪い夫婦が、
同じ屋根の下で口もきかない状態
これって家庭内別居だってわかりますよね。
では、家庭内別居とは、具体的にどういう状態を指すんでしょうか。
家庭内別居の定義 って何ですか?
「家庭内別居」という法律上の文言はないんですね。
だから、法律としての定義はないんです。
一般的によく言われているのは、夫婦で同居しているが、実生活上はコミュニケーションがなくまったく協力し合っていない状態ですね。
となると、夫婦のどちらかが「家庭内別居だ!」と言っても、相手の側が「家庭内別居ではない」と言ったら、家庭内別居ではないということなんでしょうか?
いいえ、そんなことはありませんよ。
離婚裁判になってしまったら、別居状態っていうのも夫婦関係の破綻がどの程度かということで、期間や態様をチェックします。
夫が「家庭内別居している妻」に離婚を求めた事件で、同居していても実質的な会話はなく、意思の疎通もないと離婚になった判決があります。
この事件の場合は、会話もノートでやりとりしていて、同居はしているけど離婚を認めた、というきわめてまれなケースでした。
だから、家庭内別居という定義はないけど、婚姻関係が破綻していると判断されて離婚訴訟になってしまうと、
別居期間としてカウントされて、離婚になってしまう可能性も十分にある、って事ですね。
離婚原因になる家庭内別居の深刻度合いとは?
私たちの夫婦の場合は、たまに一緒に食事をする以外はほとんど別です。
夫とは一切顔を合わさない。
食事の支度はしても夫が帰宅する前に自分の部屋にこもるし、、、、
会話はなく、テレビも同じ番組を別々の部屋で見たり、寝る部屋も時間も別・・・
これはまさしく家庭内別居だと思うんですよね。
その状態だとまさしく家庭内別居といえますね。
わかりやすく言えば、家庭内別居は仮面夫婦に近いとも言えます。
相手との接触がまったくなく、存在感すら感じないのが家庭内別居です。
生活の「衣食住」のうち、「住」だけを共有しているという点ですね。
家庭内別居は、法律としての定義はないんですが、一般的には、同じ住居で暮らしているにもかかわらず、食事も洗濯も別々、ほとんど口をきかず、寝室も別にして鍵をかけている、などの場合に該当すると言われています。
家庭内別居の定義に当てはめて離婚になる、というより、別居になるか否かにこだわらなくても、
生活が分離していることがはっきりしていることのほうが大きいですね。
生活が分離していることが証明されれば、夫婦関係の破綻の表象として別居期間に含まれて、離婚原因になることもありえますね。
家庭内別居の定義はないけど心の距離の問題と同じ
確かに、家庭内別居の定義として、法律に規定されているわけでもないので、
こんなに会話がない状態になったから、ハイ離婚です!っていうことではないんですね。
しかしよくある家庭の状況で
- 夫婦お互い同じ部屋にいることがない
- 意識的に夫婦で顔を合わせることがない
- 夫婦で会話もしない
- 夜の営みがまったくない
- 食事は用意することもなくされたこともない
- 食事も洗濯も別
- 休日も一緒に過ごすことがない
「ない」「ない」ばかりの感じだったら、別居しているのと同じですね。
一方で、会話があっても家の中ではけんか腰、食事も別々、外では普通に会話しているような仮面夫婦、そんな相手のことを思う気持ちがなくては、家庭内別居とも言えますよね。
つまり、人それぞれに結婚生活、家庭という考えかたや感じ方があるので「家庭内別居」もたくさん考え方があると言うことなんです。
心の距離の問題といえるかもしれませんね。
心の距離が遠くなったから、別れる、ということなら、離婚する結論になりやすいですよね。
離婚率が高いアメリカでは、家庭内別居が少ないんです。
例えば、夫婦のどちらかが浮気や不倫をしたら、そこからあとは一直線に離婚に進むケースが多いんですね。
心の距離が夫婦で離れたら、すっぱりと別れて、新しい人生をやり直す道を選ぶのがアメリカ流です。
日本では、じっと我慢して、仮面夫婦を続ける家庭内別居の状態ってよくあります。
原因は、相手に対する愛情が冷めきっている場合もあるし、コミュニケーションがなくなってぎくしゃくしているからってこともあります。
芸能人の夫婦を揶揄する際に、よく”仮面夫婦”と言う時もありますが、実際にこういった状態で何食わぬ顔を装って夫婦生活をして同居している人もあんがいいるものです。
ひとつ屋根の下に一緒に暮らしているのに、他人のように生活しているっていうのはかなりしんどいです。
それが夫婦でなければ、ルームシェアーと変らない環境です。
でも、夫婦なのに心はすでに離れていて、夫婦というしがらみがあって他人のようにも振舞えず・・・
家庭内別居は別居になる?
実は夫婦には「同居の義務」があります。
長い間、家庭内別居 の状態が続いています。
二人の気持ちはすでに破綻しているので離婚したいと思います。
離婚するには、実際に別々に暮らす意味での別居の有無が判断基準になると聞きましたが。。。。。
協議離婚であれば、離婚するのに理由はいらないので、別居していようがしていまいが、夫婦二人が納得すれば、それで離婚できます。
ただ、離婚裁判になったりすると、そうはいきません。
離婚で話し合いがつかなかったら最終的には、裁判になるのですが、一方的な同居の解除は同居義務違反として、不利な材料になってしまいます。
裁判で離婚するには、法律上の理由がいるんですね。
【関連記事】裁判で離婚したいなら5つの離婚原因に当てはまっているかチェック
離婚裁判で離婚できる理由の根拠となるのは、夫婦関係の「破綻」です。
離婚裁判の場合は、離婚するには別居の有無は判断基準になります。
この場合の別居とは、もちろん違う家に夫婦のそれぞれが住むことです。
同じ家に住んでいても、口も聞かない、食事も洗濯も掃除も別。
しかも、寝るときには部屋に鍵をかけるという状態は、まさしく家庭内別居です。
家庭内別居が証明されて、家庭内別居にいたった原因と現在の破綻した状態があれば、離婚請求は認められることになるんですね。
もし、家庭内別居が証明できなくても、破綻の状況が証明できれば、離婚請求は認められます。
離婚と別居 の問題ですが、家庭内別居は証明が難しいので、本当に離婚したいのであれば中途半端な家庭内別居などはしないで、きちんと別居した方が賢明です。
【関連記事】離婚したいけど別居期間や年数は5年あれば確実に離婚できる?
家庭内別居の状態でも、経済的事情や子どもの事を考えると離婚できない人も多く、仕事を見つけたり、
子供が独立したことなどをきっかけに、離婚届を出して解決することもあります。
もし、家庭内別居状態から本当の別居の段階になる前には、実際に住んでいる家にある財産の把握しておいたほうがいいです。
本当に離婚する段階になって、財産分与などで分配する際にうやむやになったり、夫婦の財産が隠されたりするかもしれないからです
最終的に、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
離婚後の財産のことについてこじれて「離婚」も話し合えないとも多いです。
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本当の別居後に恋人ができたら不利になる?
夫婦関係が破綻して、実際、別居後に男女の関係になった恋人がいても、夫婦の破局の原因ではないと判断されることが多いです。
だから、たとえ離婚裁判になったとしても、離婚の原因として不貞にはならず、慰謝料請求で離婚の条件が不利になることはありません。
いくつか条件はあるのですが、
- ケンカが絶えなかったこと
- その結果別居したこと
- 夫婦関係に回復の見込みがなかったこと
- 別居後に交際が始まったこと
などを主張すれば、相手が恋人の存在を責めても不利になることはありません。
離婚を考えて別居をする場合は、一挙に片付けようと思わないことが大切です。
別居しても、短気を起こして幸せになれない離婚をしないようにも気をつけなくてはなりません。
→離婚前に別居して離婚したいのかを考えるメリットとデメリット