姑問題で離婚した例がある
- 結婚して、夫の両親と仲良くできるかな?
- 仲良く買い物もいけるかな?
結婚した当初は姑との関係に、不安と期待があったりしましたよね。
結婚生活が続くと接する機会も多くなり、だんだんとお互いの本性があらわになって、嫁と姑のいさかい、嫁と夫の身内との不和に発展してしまうんですね。
嫁姑問題 はどんな時代にもある古くからの問題です。
同居している、していないにかかわらず、どの家庭も親族の不和に関する問題を多少は抱えているのではないでしょうか。
実際に姑との不仲が原因で、離婚訴訟で離婚が認められた例もあります。
離婚したら、姑とは親族としての法律上の扶養義務からも解放されます。
ポイントは夫婦関係の修復と別居期間
夫婦の一方と他方の親との対立が原因となって夫婦関係がおかしくなり、あげくのはてには離婚というケース。よくありますよね。
家族との同居が当然だった戦前の民法では、配偶者の直系尊属、つまり義理の父母からの虐待や侮辱は、離婚原因になる、と明文で規定があったくらいなんです。
今では、親と同居生活するほうが少ないくらいですよね。
確かに、義理の父母との同居はあまり聞かなくなりましたけど、最近になってから二世帯住宅も増えてきていてこの嫁姑問題が起こることも珍しくなくなってきました。
裁判離婚になると、嫁姑問題の離婚請求の場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかどうかによって、判断されます。
参照→「婚姻を継続しがたい重大な事由」まとめ一覧
そのための判断の基準として、
- 良好な夫婦関係の回復の可能性はあるのか
- 別居期間がどれくらいあるか
という点があります。
離婚訴訟の場合は、離婚原因を嫁姑問題のみとするのは難しく、まずは、円満に解決するよう努力を求められるんです。
嫁姑問題で離婚は認められない例!
年齢29歳、女性、専業主婦、子供5歳
自営業を営んでいる夫の実家で夫の両親と同居しています。
結婚した当時から姑は私のやることなすことに文句を言ってきたのですが、夫は「少しくらい我慢してうまくやってくれ」といって聞く耳を持ちません。
姑と決別したいのは言うまでもなく、妻である私のことをちっとも気遣ってくれない夫にも嫌悪感を感じます。
離婚して家を出て行きたいのですが、保守的な夫が離婚に応じてくれるとは思いません。
もし、裁判になったら離婚は認められますか?
そして子供の親権をとることができますか?
この場合、まずは姑との別居を含めて夫と十分な話し合いをする必要があるんです。
それでも、夫が理解を示さず妻であるあなたのことを助けてくれない上に、姑との別居にも応じてくれないのであれば、子供を連れて別居するのが今後の生活の上ではいいんです。
別居期間中も離婚に向けた話し合いを継続し、それでも夫が離婚に同意しない場合は、相当な別居期間(5年前後)あれば離婚原因があるとして、裁判でも離婚が認められる可能性があります。
親族との対立解消のためにどんな努力をしたがどうかが判例の分岐点
夫婦生活は夫婦がお互いに努力して円満な家庭生活を継続すべきものなんですね。、
- 姑との折り合いが悪い
- 口げんかが絶えない
この程度の場合には離婚訴訟ではまず離婚が認められることはありません。
親族不和を原因とする離婚請求では、夫あるいは妻が、他方の親族との不和を解消するために、その間に入ってどのような配慮をしてどのように積極的な努力をしたかということが、離婚の成否のポイントになるんです。
嫁と姑の対立があるのを放置して
- 円満な関係にするための調整をしようともしなかったり
- 親の側に立って妻を罵倒したり
- 暴力を振るったりする
こういったケースでは、いまだ完全に夫婦関係が破綻しているとはいえないとして、裁判所は夫からの離婚請求を認めることはない場合がほとんどです。
親子共同しての追い出し離婚は認められないんですね。
離婚請求が認められた例
- 冷遇された婿養子の夫が家出して8年後に離婚請求したケース
妻の家に婿入りして妻の実家で生活していた夫がいました。
この夫に妻の両親が冷遇し、蔑視しました。
妻はこのことに無関心だったため、夫は妻との婚姻の継続をあきらめて家を出て行ってしまいました。
家を出てから8年後、夫は離婚請求の訴えを起こしたのですが、裁判所は夫婦の実質が失われていることを認めて離婚の判決を出しました。
- 妻に、義理の父がしばしば妻に対しての不憫な行動に出るにもかかわらず、夫がこれを制止できなかったケース
- 先妻の子が妻に冷たく当たり散らすのに、親子の間がうまくいくように夫が努力しなかったケース
家族に冷遇されている場合に離婚できる?
戦前のような「家」制度がなくなって、現在では夫婦は基本的には独立した家族単位として認められています。
でも、現実には、それぞれの両親と無関係に生活できるわけではありませんよね。
とくに、夫婦が両親と同居している場合には、円満な関係を築けるかどうかで夫婦関係にも影響してきます。
婿養子で夫が家族に冷遇されている場合も、そのことが原因で婚姻関係が破綻しているのであれば、離婚できるのは、考え方は嫁姑の不仲の場合と同じです。
婿養子でもサザエさん一家みたいに明るい家庭ならば、冷遇とは無縁なのかもしれないですね。
いずれにしても、親族との対立や不和が原因で、円満な夫婦関係が回復できない程度に破綻していて、義理の父母の虐待や侮辱がだれからみてもひどいと判断されるような状態でなければ、なかなか裁判では離婚は認められないようです。
離婚したら、義理の父母とは扶養義務などの親族としての義務からは解放されます。
民法728条1項に、「婚姻関係は離婚によって終了する」と規定されているからなんですね。
嫁姑問題は古くからある問題でもあるので、離婚裁判での判例がそこそこあります。
離婚裁判までいかないで、協議離婚や調停であれば、法的に確立されている「夫婦関係の修復」と「別居期間」は必要ありません。
離婚したいと思ったら、理由を問わずに離婚届を出して離婚できるのが、協議離婚です。
離婚のときに問題になるのは、親権・財産のことがほとんどです。
離婚したいと思いつつ、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
こじれて「離婚」も話し合えないとも多いです。
だから、離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいいです。
もし自宅などの不動産を所有しているのなら、売却したらどれくらいの価格になるかを出して、資産価値からの処分を検討しておきましょう。
住宅ローンはその価格から差し引きます。
直近の価格を知っておけば、安心な準備をすることができますよ。→売ったらいくらかチェックしてみてください(無料です)