やりすぎの宗教活動なら離婚できる

「宗教」で夫婦関係が壊れる


日本人って世界の中でも、無宗教の人が多いですよね。

 

自分が特定の宗教を信仰していない。

 

でも、パートナーが宗教を熱心に信仰している。

 

そんな関係だと、「えっ!」と思いますよね。

 

相手のことを愛していて信頼していても、

 

自分が育った環境に宗教色がそんなにないと、若干の違和感があるものです。

 

信仰や宗教活動の自由は、憲法で認めています。

 

だから、妻や夫が家の宗教と異なる信仰をするからといって、

 

そのことだけを理由に離婚の申立をしても離婚が認められることはないんですね。

 

でも、限度を超えて夫婦の義務に違反した場合は離婚原因があり、と判断されることもあります。

 

究極は、お金の問題になるんですね。

 

宗教にお金を突っ込みすぎる相手とは離婚できます。

 

特にお金に無心になりがちな宗教を理由とした場合は、離婚できる可能性が大きいです。

 

ここでは、宗教によって、離婚してしまう限度がどのくらいなのか、という視点を紹介していきますね。

 

 

 

夫婦関係を壊す程度にまで宗教に熱中していれば離婚は認められる

宗教を理由に離婚する場合のフレーズ

 

日本で「宗教」と聞くとあまりいいイメージは持たれませんよね

 

「実は○○教なの」

 

「実は○○会なんだ」

 

って聞いたら、それだけで、ぞ〜っとして離婚したい気持ちになってしまうのもわかります。

 

もちろん、協議離婚であればどんな理由でもいいので、宗教を理由に離婚できます。

 

でも、パートナーの心の中に自分には理解できない宗教があるから離婚したい、という理由

 

これだけだと、裁判離婚にまで進んでしまうと、離婚はできないです。

 

宗教の関係でよく申立てられている離婚事件は

  • 「集会だ」「会合だ」といって、夜遅くまで出歩いている
  • 自分の信じているる宗教に勧誘するため毎日のように外出する
  • ご利益があるからとかなりの金額の寄付をする

などです。

 

宗教の問題での離婚の申立理由としては「婚姻を継続しがたい重大な事由」ということになります。

 

宗教の価値観が違いすぎて夫婦関係が悪化する理由

 

宗教というものすごく内面的な問題について、お互いにわかちがたい価値観を持っている。

 

そして、相手を非難したり、嫌悪していると、夫婦仲は悪くなりますよね。

 

そうして、結婚の本質ともいうべき精神的な結合は困難、ということになって夫婦関係が破綻したというケースが多いです。

 

宗教活動の自由が認められているといってもそこにはどうしても 限界;というものがありますよね。

 

特に、妻が宗教活動にのめり込みすぎちゃって、小学校に入る前の子供をほっぽらかしてまでも、夜中まで念仏を唱えている姿は、勘弁してほしいです。

家事や育児をおろそかにしてまで宗教活動に熱中して、家庭生活をないがしろにするようなことはとても夫婦生活をまともにしている、と許されることではないですよね。

心の問題ともいえる宗教そのものよりは、宗教活動から出てくる問題が原因になっています。

 

夫婦の一方が、特定の宗教活動に熱中しすぎてしまう。

 

すると、相手の気持ちや家庭生活をないがしろにしてしまう。

 

その結果、夫婦関係がぎくしゃくして、いさかいが絶えなくなってしまうこともあります。

 

そして、ついには夫婦関係を継続していくのが困難な状況になった場合に離婚問題となって出てきちゃうんですね。

 

最近パートを始めた妻がパート先で知り合った同僚から勧められたのをきっかけに宗教にはまってしまいました。

 

最初は許容の範囲内でしたが、毎日集会に出かけるようになり家事もおろそかに。

 

それでも私が子供の食事を作ったりして何とかやってきましたが、ついには子供にまで進行を強要するようになり、私がもうやめてほしいと言っても、聞く耳を持ちません。

 

このままでは子供にも悪影響を与えるし、正直ここまでのめり込んでいる妻にも恐怖を感じます。離婚できますか?

信仰の自由や宗教活動は憲法で認められていることなので、配偶者の信仰にはある程度寛容でいるべき、というのが裁判所の立場なんですね。

 

なので、配偶者の熱心な信仰だけを理由に離婚の申立をしても離婚が認められることはまずありません。

 

とはいっても、限度を超えた宗教活動によって家事や育児をおろそかにしているような場合は、夫婦間の協力・扶助義務に違反していることとなり、離婚原因ができた、として離婚が認められることになります。

宗教活動のために家事・育児を放棄するほかに、

 

多額の寄付をして家庭に大きな負担をかけたり、

 

勝手に家を出て集団生活を始めてしまった場合には、

 

限度を超えている、とみなされて、離婚原因と認められることになります。

 

宗教団体への「寄付」という名の財産つぶし

 

宗教は客観的には”いいこと”をツラツラと話していますよね。

そうなんです。

 

「感謝」とか、いかにもいいことをしているような言葉で人を惹きつけるんですが、そこにお金が絡むと財産までも食いつぶされてしまうんですね。

宗教の教義などには、「自己犠牲」とか「自分以外の人のために」とか、

 

いかにもいい事をしているような話をして、宗教団体に引き入れようとすることがよくありますよね。

 

そこまでは、信教の自由ですから、自分の思ったことに従っても何の問題も起きません。

 

そこからです。

 

宗教団体がねずみ講まがいの、”壷”やらの商品を多額の「寄付」で、お金を出させるようになる

 

そうなると、離婚問題へと発展してしまうんですね。

 

「主さまに感謝したなら形で示すのよ。」

 

つまり、感謝はお金であらわしなさいってことです。

 

感謝した時には、お金を相手に渡すことで、ご利益を得られます的に洗脳してしまうんですね。

 

その商品が数十万して、家族や親戚のお金を集めまくっていたりすると・・・・

 

騙す方も騙す方だけど、騙される方も騙される方だから、何を言っても聞き入れてくれません。

 

  1. 宗教に入信
  2. 言葉巧みに洗脳
  3. 財産という財産を吸い取られる
  4. 家庭崩壊

 

宗教への入信にとどまらず、このサイクルで離婚に至るケースはあります。

 

宗教がらみでお金の問題があるならまずは財産チェック

 

宗教活動だけでは離婚は認められません。

 

でも、限度を超えて、夫婦の義務に違反した場合には離婚原因あります。

 

ましてや、宗教にありがちな仏壇やら教義などは値段があってもないようなもので、高額なことが多いです。

 

寄付などのお金が絡むので離婚したいと思いつつ、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。

 

離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいいです。

 

もしかしたらすでに財産の一部を宗教団体にこっそり提供している可能性もあります。

 

大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。

 

その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。

 

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離婚が認められた裁判例

宗教活動にのめりこみすぎると離婚原因になる

 

離婚裁判にまでなって、離婚が認められたケースってやっぱりあるんですね。

 

実際のところ、やはり宗教活動そのものではないところがポイントです。

 

宗教活動にのめりこみすぎて、夫婦や家庭の限界を突き抜けてしまった場合に離婚、なんですね。

 

  • 昼夜もおかまいなしに外出し、時には無断外泊まで何度もしているため夫婦関係が破綻したケース
  •  

  • 妻が宗教活動の集会に熱心に出席し、ときには自宅を提供しているうちに活動がエスカレートするようになりました。

     

    家事をおろそかにして留守がちとなって正月その他世間一般の習俗的行事を行わないなど、家庭の安息が失われたケース

  •  

  • 宗教を信仰するようになったことが原因で夫婦間に亀裂が生じて別居するに至ったが、妻は別居後もますます熱心に信仰するようになり、週3回の集会や地域での布教活動に参加するようになり、宗教活動を自粛する気持ちも離婚する気持ちもないケース

 

具体的な裁判例はこんなケースです。

裁判時に、結婚14年目で13歳の長男と9歳の長女がいた家庭で、結婚3年目に妻がエホバの証人に入信したケースです。

 

結婚後の夫婦関係は円満な方でした。

 

夫婦は結婚してから6年目頃から集会に参加するようになり、それを嫌う夫との間でいざかいが耐えなくなったのです。

 

やがて、宗教活動を辞めさせようとする夫から暴行を受けた妻は、子供をつれて実家に帰りましたが、その後、子供は夫側に取り返され、一方で妻の方は洗礼を受けて、本格的に宗教家活動に専念し始めました。

 

そこで、夫は妻を相手取って、離婚請求及び子供二人の親権者の地位を求めて裁判を起こした、という事件です。

 

父親を9歳と13歳の子供の親権者と認める

 

夫は妻との夫婦関係は完全に破綻しており、破綻は主に妻の宗教活動が原因であり、これは結婚を継続しがたい重大な理由に当たる、としました。

 

さらに、被告が子供と同居すると、育成上、子供に悪影響を与える、と主張したのです。

 

それに対し、妻は、破綻は被告の信仰を尊重しない原告側に原因がある、としながらも、夫婦共同生活の回復は可能であると反論し、夫側の請求を棄却するよう求めました。

 

判決は、裁判所は信仰の自由は、夫婦間でも尊重されるべきものだ、とした上で、子供の教育上や家庭生活に影響を及ぼすような場合には一定の制約を受けるのもやむを得ない、としました。

 

そして、被告は協議を家庭生活でも実践しようとするあまり、原告の考え方や気持ちを無視しており、宗教活動の中止を求めた原告の行為だけを非難することはできない、として夫婦関係の破綻の原因が原告側にあるという被告側の主張を退けて、離婚を認めました。

 

また、子供の親権についても、約七年間にわたって、原告及びその両親により育てられており、原告(父親側)を親権者とするのが妥当、としました(広島地裁H5.6.28)

結婚25年。子どもが3人。

 

妻はエホバの証人に熱中し、子どもを入信させるだけでなく、神棚を夫の実家に返すなどを行っていました。

 

このため、夫婦間の亀裂や対立は深刻なものとなって、10年にわたって争いを続けてきました。

この裁判例では根源的な問題についての対立は、今後も解消できないとして離婚を認めています。

 

どれくらいの 期間 宗教活動をしていたから離婚できるっていう基準みたいなものはあるんですか?

宗教をめぐる対立がどれくらいの期間だと離婚できるというわけではないんですね。

 

日本国憲法では「信教の自由」として、夫婦間で信仰の違いがあっても、基本はお互いが尊重し合うべきで、そのことが即、離婚に結びつくわけでないからなんです。

夫婦はもともと考え方が違うものですよね。

 

だから、信じるものも違って当然なんです。

 

宗教をめぐった対立が長期間続いたとしても、そのことが離婚原因になることはありません。

 

でも、夫婦の一方が過度に宗教に熱中しすぎると話は別です。

 

やっぱり、家庭内の話がいつもいつも話が、宗教だけだと嫌になっちゃいますよね。

 

裁判例でも、結果として夫婦間の協力、扶助義務違反となって、その結果、破綻する場合には離婚できるケースが多いようですね。

 

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離婚したいと思った時に弁護士にする離婚の「相談」と「依頼」

 

宗教が離婚理由になるか、で思うところ

 

宗教ってクローズドなコミュニティじゃないですか。

 

絶対的な階級があって、完璧に中央集権的な集団ですよね。

 

そうなると、信者ってどうしても主体性が奪われちゃいます。

 

個人の思うことや考えることより、宗教の考え方にシフトする。

 

知らず知らずに程度の差があれ「依存」させられちゃってる面がありますよね。

 

それが行き過ぎると、宗教というよりカルト集団となってしまいます。

 

私が別れた妻は、創価学会でした。

(宗教が理由で離婚したわけではないです。)

 

創価学会が悪いか悪くないかの問題は置いておいて、思考停止になるんですよね。

 

自分で判断することなく、「宗教が○○だから」と決めつける。

 

そんな風に主体性を奪って依存してしまう環境は、カルト集団じゃなくてもありますよね。

 

経済的に夫に依存しているから離婚できない、というのも、ある意味で主体性がなくなって依存ですしね。

 

無条件に従ってしまう人になってしまうと、人間的にどうかな?と思ってしまいます。

 

宗教の教えをただ盲信していると、自立できなくなってしまうから。

 

結局、宗教に限らず、自分という主体性を失って幸せかどうか、だと思うんです。

離婚して幸せになった人と不幸な人の違いは2つ

 

離婚 住宅ローン

 

     

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