離婚の調停委員とはどんな人?当たりハズレがある

離婚の調停委員とはどんな人?当たりハズレがある

調停委員は仲介人

調停委員のイメージってこんな感じでしょうか?

  • 厳格
  • ビシッと指示する
  • 法律に詳しい

まるで裁判官のような感じを受けますよね。

 

でも、調停の場にいる調停委員には何の権限もありません

 

だから離婚調停の場では、調停委員から「変な人」だとか「わがままな人」だと思われたとしても不利益はほとんどありません。

 

相手が裁判官なら、悪い心証を与えることによって不利な判決がなされるリスクを考えなければなりませんよね。

 

でも、調停委員についてはそのようなリスクはありません。

 

この記事ではいつもの日常ではなじみの薄い、離婚調停での調停委員について紹介するので参考にしてくださいね。

 

 

離婚調停での調停員とは

調停委員は離婚の判断はしない

 

調停委員って調停で離婚した方がいいとか、しないほうがいいとか決めたりしてくれるんですか?

 

「調停委員は、どちらが間違っているかを決めてくれる人ではありません。

 

調停委員には離婚の決定権もなにも権限がありません。

 

「調停委員は、どちらが間違っているかを決めてくれる人」と思っている方が多いようですが、調停委員の役目は、状況の判断をするものではありません。

 

夫婦から話を聞いて解決に向けて手助けをするのが調停委員の仕事です。

 

だから、調停委員から「では、こうしたらいいんじゃないですか?」というようなアドバイスや指示が出るというものではありません。

 

どう思われようと、あくまでも離婚調停を有利に運ぶ上での心構えとしては、言うべきことはしっかりと伝えた方がいいです。

  • 『こんな要求をしたら、身勝手でわがままだと思われないだろうか』
  • 『前回、言わなかった要求を付け加えると心証が悪くなるかもしれない』

などということは、基本的に気にする必要はありません。

 

調停委員は2人一組で話を聞く

 

どちらかが間違っているとかを決めるんだと、裁判と一緒になっちゃいますよね。

 

調停委員を介してお互いが意見を出し合うというのが調停です。

 

ただ単に、話を「うん、うん、そうだね」と聞いてくれるのが、調停委員だと思ったほうがいいですよ。

 

離婚調停では、調停委員がたいてい男女2人が組となっていて、男性側が主導して話を進めていますね。

 

パッと見はたいていの場合、ちょっと品のある気さくな感じの人、という印象です。

 

話を聞く仲介役

 

調停委員の方が話しを聞いてくれる 仲介人 みたいな感じってところなんですね。

 

調停委員は、夫婦の双方が離婚原因や離婚の条件についてどう考えているかなど、言い分を聞きます。

 

調停委員は、どこかに夫婦の言っていることに一致点はないか、など解決の糸口を探して、当事者が解決案を考える上で助言や指導をしてくれます。

 

その際に、調停委員の流れに飲まれてしまうこともあるので、あまり感情的にならずにクールに対応した方がいいですね。

 

調停委員の助言や指導に従うか従わないかは、夫婦の自由です。

 

自宅を建てるイメージでいえば、不動産の仲介屋さんの言うことを聞かないと家が建てられないわけではない、ですよね。

 

調停委員には「当たり」「ハズレ」がある

調停委員の当たりハズレ

 

調整能力、知識、価値観などが違う人ばかりなので、調停委員も人それぞれで「当たり」「ハズレ」があります。

 

調停委員の当たりハズレはどんなところで出るかと言えば、離婚が調停で成立すれば当たり、離婚訴訟になってしまうとハズレ です。

 

当たりの調停委員だと

 

9割方裁判になることを覚悟していても、調停委員が熱心に調整をしてくれるおかげで、調停で離婚が成立するばあいがあります。

 

ハズレの調停委員だと

 

調停を通じた話でお互いの意向がほとんど正確に伝わらず、漫然と時間が経過して、結局、離婚訴訟に進んでしまうケースになってしまいがちです。

 

実際に離婚調停を経験した印象では、調停委員は裁判所のガチガチのお役所職員という感じではない感じがしました。

 

でも、調停委員をこちらから選ぶことができないので、当たりハズレは運しだいになってしまいます。

 

調停委員の裁判所での立ち位置

調停委員会があってそこに裁判官がいるしくみ

調停委員会

 

家庭裁判所での調停は、家事調停と呼ばれて調停委員会で行われます。

 

家事事件手続法という法律に基づいています。

(家事調停委員)
第249条  家事調停委員は、非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
2  家事調停委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

 

調停委員会のメンバーは、家事審判官(裁判官)1名と、民間から選ばれた家事調停委員2名で構成されます。

 

現在、日本に離婚を担当する家事調停委員は1万2200人ほどいます。

 

年齢別に見ると約7割が60代、2割が50代です。

 

調停委員の役割は話のまとめ役

 

調停委員は、社会的経験や知識のある人、家事紛争の解決に専門的な知識を持つ人、学識経験の豊富な人などから、40歳から70歳未満の人の中から最高裁判所が任命された人です。

  • 弁護士や医師
  • 大学教授などの専門家
  • 保護司
  • 元校長先生
  • 元銀行の支店長
  • 地元の名士的な人たち
  • カウンセリングの専門家など

主に話をまとめる経験をされたことのある方が調停委員になっているケースが多いようですね。

 

ただ、人々のもめ事を円満に解決したいという志の高さから、自分で描いたストーリーにそって強引に解決を図ってしまうということもあるかもしれません。

 

 

話しの流れを作っていったりもするんですか?

 

調停員は話し合いをまとめるのが仕事なので、一方が強権的な意見を持っている場合、その意見に引きずられやすい側面があります。

 

調停委員は仕事として、まとめ役をしているわけですが、その誘導方法は人それぞれです。

 

比較的従順そうな方を妥協させようとする傾向もないわけではありませんので、注意が必要です。

 

話し合いが熟してくると裁判官が出席して調停案を示す場合もあります。

 

離婚調停で弁護士がいると有利!?

弁護士がいる場合のメリット

調停に同席する弁護士調停でも法律専門家の弁護士がいると有利になる、と聞くことがありますよね。

 

離婚調停では基本的に一人きりで出席するので、助っ人が横にいるのはなにかと心強いです。

 

人生でそう何度も離婚調停に出席することもないのがふつう?ですからね。

 

先に一人で調停をし、後から調停に弁護士と同席した方は「調停委員が一変した、まるで別人のようだった」と言います。
調停で弁護士は必要?弁護士だけで離婚調停はできるの?

 

弁護士をたてるデメリット

 

「調停委員が相手の言い分ばかりを聞き、自分は一方的に悪者にされている。不公平だ!」

 

と言ったことがある人は、弁護士と一緒に調停に出ていないケースがほとんどです。

  • いきなりの別居
  • 夫婦二人で話したくない
  • 離婚は先延ばしでもいい

など夫婦二人で離婚の話はできない場合もありますよね。

 

そこでもし、

 

調停で離婚の決着を!

 

となると話の内容次第では、2年近くかかることもあります。

 

長期間となる調停で弁護士をつけるとなると、おおきなデメリットは費用です。

 

家庭裁判所での離婚案件に精通している弁護士に依頼すれば、たしかに離婚調停はスムーズになるかもしれません。

 

ただ、費用というデメリットもあるので悩みどころですよね。

 

調停をするか、費用はどれくらいかかるのか、など事前にできる準備はしておくと心強くなります。

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離婚の調停委員とはどんな人?(まとめとアドバイス)

話を聞く役割が調停委員

調停員のいる家庭裁判所は、調停委員会があってそこに裁判官がいるしくみをとっています。

 

離婚調停での調停員は、離婚する・離婚しないの判断はしない話を聞く仲介役なんですね。

 

2人一組で夫婦それぞれの話を聞き話のまとめ役に徹しています。

 

調停委員も一人の人間でそれぞれの夫婦との相性もあり、「当たり」「ハズレ」があります。

 

そこで、調停に弁護士を同席してもらうかはメリットもありますが、費用というデメリットも悩みどころですよね。

 

離婚調停を考えている方にとって参考になれば幸いです。

 

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