「離婚したい!」という側も、
「離婚したくない」と思う側も、
離婚する、と決断するのは大変なことですよね。
夫婦が一緒に生活していると、だんだんと険悪な状況になってしまうことがあります。
そうなると、話し合いもできないから、「暴力」「家庭内別居」とさらに険悪な状況になってしまいがちです。
愛人がいるからどうしても離婚したい、などの目的があれば別ですが、ほとんどの場合は争いの末に離婚ができても、得られるものは少なく、将来の不安がつきまといます。
さらに、相手配偶者が離婚に応じない場合、調停、訴訟といった裁判所でのなが~い道のりがあります。
離婚という結果までに長期戦が予想されるなら 別居も視野に入れたほうがいい場合が多い んですね。
別居は離婚のトラブルを一時停止するようなもので、それもエスカレートする感情を抑えて、冷静に考える機会を与えてくれます。
また、別居は将来の生活設計や、新しい生活をはじめるための準備期間にもなります。
ここでは、離婚前に別居して離婚したいのかを考えるメリットとデメリットを紹介します。
「別居」というと、お互いの干渉から無関心になる感じがありますよね。
夫婦といっても距離感は大事です。
たいていは、結婚生活の中で、日々チューニングしているものです。
お互いに過干渉にならず、かといって無関心にならずという具合ですね。
離婚に関係なく、その調整をするために「別居」
という手段をとることもありです。
結婚当初は接近していた夫婦の距離感も、だんだんと最善の距離感を少しずつ調整して家庭を営んでいるものですよね。
夫婦がお互いにほどよい距離を保っていくことが『結婚生活』ということです。
離婚を決断する、別居前にありがちな
「いったん距離を置きましょう」
というセリフは、「過干渉から無関心に」という意味で使われることが多いです。
だったら無関心になる方が気は楽なので、いったん距離を置いた夫婦は、二度と戻らないことが多いんです
とりあえず別居してから同居に戻ったときの距離感で感じる感覚は大事です。
もし、別居から同居に戻った時の距離感の方が心地よかったら、別居しても離婚にはいたることはないでしょう。
反対に、別居での物理的・精神的に離れていた距離感の方が、心地よかったと思い返してしまうことがあるかもしれませんね。
その時に別居してから離婚を考えているならば、遅かれ早かれ方向性が決まってきます。
心の中は別居で快適なのに、法律上は夫婦という中途半端な状態が明らかになってくるからなんですね。
離婚を考えている人が別居をする場合、その目的は大きく分けると
1 離婚に向けて
と
2 改心させるため
の二つあります。
別居するメリットとしては、
があるということです。
別居の形態や目的を見誤らなければ、関係が悪化した夫婦、問題を抱えた夫婦にとっては、プラスの方向で解決が出る可能性が高い方法です。
離婚のために別居すると、長期にわたる場合がほとんどで、離婚の条件などを話し合う期間にあてることになることも多いです。
ただし、暴力が原因でなければ、離婚を前提としての別居の場合は、相手に何も告げずに一方的に家を出て行くことは避けましょう。
それは、最悪の場合、明確な離婚原因がなければ「夫婦の同居義務」に違反する、として、出て行った側が「悪意の遺棄」と見られることもありからなんですね。
離婚に向けての別居を考えている場合、たいていは今の夫婦生活が家庭内別居状態になっていることが多いです。
つまり、家庭内であまりうまくいっていない、状態ですよね。
なにも、離婚でももめている夫婦が経済的な理由はあるとしても、家庭内別居状態で同じ屋根の下で生活をしているというのは不自然です。
外から見て、夫婦の共同生活が破綻しているのに、結婚生活を続けているとしたら、それこそ不自然なことではないでしょうか。
相手に気がついてもらいたいことがあるための別居は、ショック療法が目的です。
よくあるのは、浮気をした配偶者に反省をうながすために、短期間だけ家を出るという感じです。
これは、浮気などの明白な原因を取り除いて、夫婦関係を修復するためのものです。
ただ、浮気や不倫の場合は、証拠がないと相手が突然豹変することもあるので、証拠集めだけはしておいた方がいいです。
「相手に改心させるための別居」では、そのまま破綻に至らない限りは、別居は必ずしも離婚の前段階ではなりません。
離婚になってしまう別居もあるでしょうが、そればかりではないこともあります。
離婚話が持ち上がって、双方で冷静な話し合いができない場合には、しばらくの間冷却期間をおくという意味で別居するケースは多いようです。
離婚前に別居するデメリットは、結婚しているのに別居する事実自体がデメリットになります。
別居した状態では
事になります。
こうなると、収入が少ない側の生活費の支払いを話し合いで決めておく必要があったり、別居された側の精神的なケアが必要となる場合もあります。
という場合は、離婚に至る確率は相当高いです。
その場合に別居する際には、十分な準備をしておいた方がいいですね。
別居してから、離婚しない、という結論だった場合には、お金の問題はあまり関係ないかもしれません。
でも、結果的に離婚するという決断に至った場合に、
というお金の問題になったときに、かなりこじれる可能性があります。
できれば実際に別居の段階になる前までには、別居前にこの家庭には財産がどれくらいあるのかをチェックしておいたほうがいいです。
別居中に相手の方が、財産を隠したり、分配する際にうやむやになったり、処分しかねないかもしれません。
そうなると、まるで将来的な計算ができなくなって、不安に支配されてしまうんですね。
財産がこれくらいあるんだから、最終的に処分しよう、と離婚時に考える事ができなくなってしまいます。
財産を渡すほうも、これだけしか渡せない、と主張する事も考えることになります。
もし、マイホームを持っていて離婚をする場合には、現在のご自宅の価値はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
離婚後、親権者となって子供と暮らしたいのであれば、子供は連れて行きます。
たしかに、子どもが乳幼児の場合は母親が親権者として認められることが多いのです。
でも、子供を置いて別居したまま時間が経つと、父親と子供たちの生活が安定しているととられて、母親は親権を認められなくなります。
別居して「1人って楽だわぁ」なんて思っているわけにはいかないんですね。
別居の開放感にひたっていると、子どもがいたら思いもよらない離婚の落とし穴にはまってしまうこともあります。
別居中に、もしも夫側に子供と生活しているなら、妻が実力行使で子供を連れ戻すことは難しいです。
裁判所がからむ調停や訴訟になると、離婚後もそのまま夫が親権を持って、子供を育てていく結果になりやすいです。
子どもを連れて別居したら、お金が…
法律上は、別居期間中でも生活にかかる費用を負担しなければならない婚姻費用という制度があります。
DVや話ができない状況でない限りは、お金の心配はほぼ必要ないです。
そういう意味では、別居期間でもお互いの扶養義務はなくならないので、婚姻費用の分担を受ければ冷静に対処できます。
短期で離婚にこぎ着けるのであれば、早期に次の人生を考えることができます。
別居をして家を出るときには、
などは持って行きます。
いずれも身分証明書になるものですね。
ほかにも重要な書類としては、
などですね。
DVが原因で別居したい場合はその証拠(医師の診断証など)をもっていきましょう。
長期の別居は、圧倒的に離婚になる可能性が高いです。
別居の期間が長くなるほど、離婚の可能性は高くなります。
芸能人の離婚のニュースでも、別居期間が3年以上経っているニュースもよく聞きますよね。
一緒に住んでいても話にならないとか、余計に関係が悪くなる場合は、別居してきちんと離婚を考えることが大切です。
話し合って別居を始めるにしても、一方的に家を出るにしても、その理由をはっきりさせておくほうがいいです。
「夫婦としてやっていけない」という趣旨をはっきりさせて、「だから別居します」という形ですね。
別居する目的が夫婦相互に理解できていないと、無駄な別居になってしまうかもしれません。
1、2カ月くらいの別居と決めている多くの場合は、夫婦関係の修復、再生が目的となります。
面と向かって話し合うよりも、問題を感じている方が置き手紙などを残して家を出るのが有効です。
内容的には、
ということを伝えるといいですね。
相手がすぐに憤ってしまいそうな内容を書かないようにします。
冷静で丁寧な内容で書いて刺激しない方がいいですね。。
数日の家出のようなものです。
何も残さないで、黙って出ていくくらいで充分でしょう。
相手が心配をするくらいであれば、相手は思い当たることを反省するはずです。
ただ、相手が「離婚したい」と思っているときに家を出てしまうと、相手にとってはラッキーな状況を作ってしまうかもしれません。
離婚前に別居するメリットは、夫婦の距離感がわかるのがメリットです。
別居して再び同居に戻ったときの距離感が重要です。
別居には、「離婚に向けて」の別居と「相手を改心させるため」の別居がありますが、「離婚に向けての別居」の結果は離婚に至りがちです。
「相手に改心させるための別居」の場合でも、離婚前の別居でチェックしておきたい「お金の問題」「未成年の子供の扱い」「別居で持って行くもの」は大事です。
別居した際のデメリットとして、お金の問題は特に離婚の際にトラブルになりがちです。
もう疲れたので争いをやめたい!と思ったら別居したほうが今後の夫婦生活の距離感と方向性がはっきりすると思いますよ。
離婚につながる別居の期間として、「長期」「1,2ヶ月くらい」「短期」と目的をはっきりさせておけば、長い目で見た人生で前向きに別居を考えることができるはずです。