協議離婚で離婚届に確実に決めておくのはたった一つ
子供の親権者決めておくだけ
協議離婚で子供の親権のことは、一番大事な項目ではあります。
でも、子供のことだけ決めるのはリスクが高いです
では、協議離婚できめるたった一つのこと以外に、どんなことを決めておいた方がいいんでしょうか。
それは、お金のことと、子供に離婚後会うための条件です。
決めるというより、準備しておいたほうがいいポイントを紹介しますね。
協議離婚では子供の親権だけ決めればよさげ?
話し合いで離婚をしようと思っているんです...
決めておかなければ離婚できないことってあるんですか?
離婚届を出すだけの協議離婚で決めておかなければならないこととは、子供がいれば親権者を決め、離婚届に記載しなければ受理されません。
と言っても、役所は子供がいると、親権者を書かずに出してもダメです。
子供がいることは役所にはわかります。
離婚届には、戸籍謄本(電子化されている役所では全部事項証明書)を添付しなければならないことになっています。
だから、協議離婚の届け出について、決めなければならないのは子供の親権だけです。
ということは、子供がいなければ 何も決めなくても決めてもいいって事なんですね。
決めなくてもいいです。
決めたとしても、離婚条件は違法なものや不可能なものでない限り自由に決められます。
協議離婚では「離婚条件を自分で決める」ということになります。
近所に住まないこと、などという条件もOKです。
それに、協議離婚の内容は離婚届に書く必要は全くないんですね。
決めたとしてもお互いに交換しておくだけでいいんです。
裁判所に届け出たり許可を得たりすることはまったくいりません。
それどころか、「離婚条件の内容は第三者に見せないこと」などと定めてもいいんです。
となると、逆に何も決めないと後で面倒なことになりませんか?
離婚届を出す前に取り決めておく方がいい事項があります。
それは、お金関係と、子供と会うことについてですね。
子供については、面接交渉(子供に会う権利)の内容、方法、監護者(親権者でないほうが事実上育てる場合)を決めておく方がいいです。
離婚したら、育てている方の親は、子供と会わせてくれなくなりがちなんですね。
育てている方の親が、たいていは、なんだかんだ理由をつけて会わせないことが多いからです。
もちろん、ちゃんと子供と会わせる親もいるのですが、離婚成立後に子供に会う機会について合意を得ることは難しくて、裁判所の手続きが必要になりがちだからです。
離婚して親権者でなくなった方も、親でなくなるわけではなく、子供に会う権利が認められています。
面接と言っても数日一緒に暮らすことも入るので、子供の受け渡し方法なども現実的に決めておかないと、後々トラブルの元になります。
子供の意思は最大限尊重して、方法や内容を決めておく方がいいです。
子供の親権以外に決めておく離婚の条件
離婚というものは、決定的にするものです。
「1年間だけ離婚しよう」
「借金がなくなるまで離婚しよう」
などという条件付きの離婚は効力がありません。
いったん離婚届を出せば、法的な離婚に条件などは認められず、完璧に有効な離婚となります。
離婚無効の訴訟を起こすことはできますが、たいていは通りません。
協議離婚を成立させる要件として、
については、離婚の時に決めておかなくても、離婚の成立とは関係ありません。
後でも要求できるのですが、すでに離婚が成立した時点では、話し合いがつきにくくなってしまうことが多いです。
経験上、できれば離婚と同時に決める方がいいです。
離婚だけ先に成立させておいて、後でもめてしまった場合は、やっかいなことになるんですよ。
- 慰謝料については訴訟
- 財産分与、養育費、面接交渉については家庭裁判所
での審判をすることになります。
せっかく協議離婚したのに、離婚後に裁判所に行くなんて、イヤですよね。
できれば、話し合いで決めた内容を文書にしておいて、協議離婚書を作っておいたほうがいいですね。
口約束では、約束をかんたんにすっぽかされることもあるので、めんどうに思っても作成する準備だけはしておくといいです。
離婚の話が決定的になる前に余裕を持つことが大事
離婚を切り出してしまうと、後で話し合いが難しくなってしまう事柄があります。その最たるものは、お金に関することです。
最初のうちは、「お金なんか」っていう気持ちになっているんですよね。
うちの場合、離婚するか、しないか、ってもめている期間が2年くらいあったんです。
その間は、財産をどうする、なんて思いもつかなかったんですよ。
でも、イライラがマックスになると、「離婚したい」から「離婚してやる!」っていう気持ちにかわってしまうんですね。
だから離婚したいと思ったら、ある程度、家にある財産を把握していると、心の余裕を持つことができます。
相手が「離婚してやる!」っていう気持ちになる前に、心の余裕が持てると、経験上、余裕度合いが違ってきますよ。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
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離婚届を出すときに双方の離婚意思が必要
協議離婚でまず必要なことは、夫婦双方が協議離婚することを決めることです。
双方の離婚の意思が必要、ということですね。
片方だけが勝手に離婚を決めることはできません。
一方の離婚要求に、親兄弟が加担することもありますが、ダメです。
離婚の意思は離婚届を提出するときになければなりません。
離婚届はそのときの離婚の意思に基づかなければならず、以前に離婚を言い出したことがあっても気が変われば離婚は成立しません。
離婚届って人生の中であまり書く機会がないですよね。
だからこそ、今までの夫婦関係をじっくり振り返るいいチャンスです。
離婚の決断をする、という利点もあります。
どちらかが離婚の意思がなくなったら離婚はできない
いったん、離婚届に判を押して、離婚届を作成した後であっても、離婚はやめた!ということができます。
相手に離婚をやめたことを通告しさえすれば、相手がその通告を無視してその離婚届を勝手に出しても離婚は無効になります。
仮に相手が離婚届を出して受理されても、形式上は離婚が成立したようになっていますが、離婚が無効なので、離婚無効の訴えを裁判所に起こすことができます。
【関連記事】離婚の成立条件には正当な離婚届の受理が必要
ただし、離婚をやめたことを通告したことが立証できないと、敗訴になってしまいます。
内容証明等を使って、通告が立証できる形にすべきです。
事前に市区町村役場に、離婚届の不受理申出書を一方的に出しておけば離婚届の受理を防ぐことができます。
離婚のことで悩んでいたり知りたいことがあれば、まずは家庭裁判所に行くといいです。
もちろん、「離婚できるか、できないか」の判断はしてくれませんが、主に手続き的なことであれば、わかりやすく教えてもらえます。