妻からの手紙に、弁護士の名前が書いてあって開けてみたら、
「離婚したい」という内容だったら、びっくりしてしまいますよね。
それが、長い間別居状態だったりしていたのに、
妻が依頼した弁護士から届く「通知書」なら、離婚が現実問題として立ちはだかっているはずです。
その手紙は、内容証明郵便でくることもあれば、普通郵便や書留の時もあります。
妻が弁護士を立てると、たいてい
が書いてあります。
場合によっては、家庭裁判所に調停を申し立てるという予告が書いてあるかもしれません。
ただ、その内容に驚きとともに怒りやどうすればいいか、慌ててしまうこともありますが、決してその場で即答はしないことです。
場合によっては、妻側の条件を一方的に押し切られる可能性があるからです。
即答せずに、妻の弁護士から送られてきた離婚したいという内容の手紙に対して、こちらも弁護士を立てたほうがいいのか、を具体例から検討してみますね。
○○△子(以下「通知人」)の代理人として、以下の通り離婚の協議を申し入れます。
通知人は、長年貴殿の精神的暴力(モラルハラスメント)に耐え、やめるように懇願しましたが、貴殿は聞き入れることはありませんでした。
そのため、通知人と貴殿は平成25年11月11日から別居し、現在に至っています。
当職といたしましては、近日中に貴殿とお目にかかり、本件の早期解決を目指して協議したく存じます。
つきましては、協議の日程について貴殿と協議したく、当職までご連絡いただきますようお願い申し上げます。
万一、貴殿と協議できない場合は、やむを得ず法的措置をとらざるを得ませんので、予めご了承ください。
草々
令和4年12月14日
東京都北西区南町
リーガル法律事務所
○○△子代理人弁護士 四角太郎
この例のようにぶっきらぼうのことが多いですよね。
いかにも硬い文章で命令調。最後の方に、おきまりの”法的措置”うんぬんと書かれているものです。
文章をみると、そもそも内容がでっち上げ。
カー―ッ、としてしまう気持ちもわかります。
でも、ここはすぐに怒りの連絡して反論しないで、一呼吸して冷静になることから始めます。
その方が、こちらに有利な展開に持ち込める可能性があります。
最近は、妻とはほとんど会話らしい会話もしていないし、
突然、弁護士経由で「離婚したい」という内容の通知書が来たのには驚いているところなんです。
突然、そんな通知書を受け取れば驚くのは当然ですが、できるだけ冷静に対処しましょう。
弁護士から手紙が来るなんて、人生の中でそうある事ではないですよね。
なかにはそんな通知など無視して放っておきたい人もいるでしょうが、必ずしもそれがいいとはいえません。
仮に放っておいた結果、妻に一方的に調停を申し立てられてしまうと、日常生活に支障をきたします。
なぜなら、離婚調停の呼び出しは平日の昼間に設定されるからです。
だから、離婚の条件が同じであれば、調停になる前に離婚が成立した方が負担は少なくてすみます。
妻の弁護士が、そもそも調停前に話し合いの交渉をする気がないのであればどうしようもないです。
ですが、できれば交渉で解決したいと考えているなら、応じることによって負担が少なくなる可能性があります。
そこで、調停に進む前に一度、妻の弁護士と接触して妻側の意向を聞いて、
納得できる範囲であれば話を進めるということも選択肢の一つになります。
ただし、妻の弁護士に一方的に押し切られるという事態を避けるためにやるべきことがあります。
気持ちが急いでいても、提案には即答しないことが肝心です。
まずは妻の弁護士の提案を聞いてから、その提案内容が妥当かどうかを別の弁護士に相談しましょう。
または、この段階で自分も弁護士に依頼するという手もあります。
もし、はじめて離婚の法律の専門家に相談するなら、こちらも弁護士をたてた方がいいのかを相談するといいです。
そうすると、調停に進んでから弁護士に依頼するするより早期に解決する可能性が高まります。
離婚などの交渉事を仕事として毎日のようにしている弁護士から吹っ掛けられたのに、素人で感情が入っているこちらが「打ち負かしてやる」と考えたら、相手の思う壺です。
法律的な解釈が必要なくらいの離婚の相談が必要ならば、最終的には相談したほうがいいです。
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弁護士には依頼したくないし、かといって自分だけで妻の弁護士と交渉するのは難しいという場合は、
相手の通知書に対して、あえて何の回答もしないという選択肢もあります。
もし回答がない場合、妻の弁護士は、妻の意向を反映して調停を申し立てることが多いからです。
そして調停になれば、直接妻の弁護士とやりとりする必要はなく、
話し合いは第三者である調停委員を介してすることになります。
調停では、調停委員が第三者として仲介の役割を果たすので、直に妻・直に弁護士、という顔を突き合わせて話さなくてもいいからなんですね。
弁護士を相手に一人で交渉するよりも、気分的にはゆとりができます。
もっとも、妻側に弁護士がついて、夫は弁護士を立てないで調停に進んだ場合、調停委員が夫を一方的に悪者扱いにした、というケースも少なからずあります。
自分が思っているとおりに、調停が進むとは限らないのでその点は覚悟する必要があります。
妻が「調停はしたくないので交渉して欲しい」と弁護士に依頼した場合には、いくら待っても調停を申し立ててこないこともあります。
それでかまわなければいいのですが、さっさと片をつけたい場合には、自分から調停を申し立てることが必要になります。
こちらも弁護士を立てる、立てないのいずれにしても、妻の弁護士の提案には即答しないのは、妻の弁護士に一方的に押し切られることを避けるためなんですね。
離婚するのは時間の問題かも、と思いつつ、離婚を言い出した後の夫婦は冷静に話し合うことが難しくなります。
特に、離婚後の財産のことについては話し合えないとこじれることも多いです。
話し合いがこじれる前に財産チェックをしておいた方がいいです。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦になってから購入した財産や貯金があるのかを把握することです。
電化製品など細かいものは後回しです。
その際には、現在のご自宅の価値はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
ネットでならおよそ60秒で、かんたんに自宅の不動産価格がわかります。
相手が何を言ってきても、離婚訴訟になれば裁判官がこちらのことを信じてくれる。
そう思っていても、全く逆の展開になることもあります。
突然妻から離婚を切り出されたときは、心の整理がつかず、どうしていいのかわからないですよね。
「自分の何が悪かったのか?」
「これからどうすればいいのか?」
・・・・今後の人生設計が大きく変わってしまうので、頭が混乱するのも仕方がないです。
しかも、調停や訴訟が始まって、次から次へと相手の言い分や要求が伝えられます。
提出された書面には、自分がどんなに悪い人間かということが、これでもか、と言わんばかりに書き連ねてあります。
・・・・そんな気持ちのまま、調停や訴訟が進んでしまってしまうんですね。
また、離婚裁判で、離婚が認められた場合には、判決書に悪い点が書き連ねられていることもあります。
これが納得できない、判決書に「妻にも悪い点があった」と一文だけでも書いて欲しい、と言う人もいます。
誰でも、事実を受け入れるのには時間がかかるものです。
この場合は「しかたない」と簡単に割り切れないですよね。
特に、家族として将来にわたって一緒に生活していこう、と考えていたのに、子供と離ればなれになった場合などは、冷静に判断できないことも考えられます。
そんな状態で無理矢理に離婚することになった場合、容易に新しい道に踏み出せるとは限りません。
円満な状態に戻ることは難しいにしても自分の言い分を裁判官に伝えたい! 納得できるまでは離婚を受け入れられない、という場合は、妻から訴訟を起こされてもひるまずに、徹底的に戦うという選択肢もあります。
もう、離婚訴訟までして、こんな状態になってしまったら、夫婦でいる意味なんて・・・って状態ですよね。
いい方向に開き直る、という方向性で人生を進む解決策を考えるように、自分を奮い立たせるしかありません。
妻の弁護士の提案には即答しない
離婚のことが書いてある手紙、なんてそうそう見る機会はないものです。
ましてや、弁護士からの手紙なんて、人生の中で受け取らないことが多い人もいるくらいですからね。
でも、その手紙に恐怖や不安をいだく必要はありません。
むしろ、硬直していた関係を解消できるいい機会です。
感情的にならずに、相手に一方的に不利な条件を押し切られない可能性を避けましょう。
「離婚する」「離婚しない」どちらの結論になるかわからないですが、態度をちょっと変えれば、大きな成果が生まれるはずですよ。
「離婚」を言い出す前にする『離婚』を考えたときすべき準備とは