離婚するときには、できれば円満に離婚したいと思うものですよね。
とくに、お金に関することは離婚前のケンカの火種になることがよくあります。
住宅ローンをかかえて自宅を購入していた場合は、
も考えることになります。
経済的な負担が大きすぎると、
離婚後も悩みは続いてしまいますよね。
そもそも自宅を購入するときに、妻が連帯保証人になっていると、法律関係が複雑になりがちです。
複雑でややこしいうえに、離婚のときにキッチリとしておかないと、離婚してから数十年たった時に思わぬ請求がやってくることもあります。
この離婚体験談は、実際に離婚後15年が経ってから、夫の自己破産の連絡とともに妻に住宅ローンの一括請求がきた物語です。
木内さゆりさん(仮名 41歳)はおよそ15年前、20代で結婚し、30歳の時に大阪市内に3000万円でマンションを購入しました。
住宅ローンは夫と共有名義で、主債務者は夫でした。
さゆりさんもその当時は働いていましたが、まだ若くて収入も少なかったので、持分は夫9:妻1にしたのです。
しかし、15年もたった後で知ることになったのですが、妻のさゆりさんは連帯保証人だったのでした。
あまり契約関係には詳しくなく、夫にすべてを任せていたので、夫の言うとおりに署名・押印をしていたのでした。
結婚後3年間は夫婦生活はうまくいってました。
しかし、その後性格の不一致が原因で離婚することになりました。
「夫がわかってくれない」という不満たらたらな離婚原因ではなく、お互いに夫婦が兄妹のような関係になってしまったことで、結婚生活の一定の終止符をうったのです。
それでも、子供はいなかったので、最後は握手して別れるようないたって円満な離婚だったのです。
協議離婚で進めて、トラブルなく、財産分与で、さゆりさんのマンションの持分を夫のものとすることにもしました。
持分移転の登記も済ませて、家の所有権名義は全て夫のものとなりました。
もともと、さゆりさんはほとんどマンション購入の出資はほぼしていなくて、持分も少なかったので、もめることもありませんでした。
その後さゆりさんは東京に住むことになり、数年後には再婚もして、幸せに暮らしていました。
ところがそれから15年が経ったある日、元夫の代理人弁護士から、「元夫が自己破産した」という通知が届いたのです。
まさに寝耳に水の話で、さゆりさんは動転してしまいました。
離婚したのは15年も前のことなので、それ以来、元夫とは連絡もとっておらず、さゆりさんは彼が今どうしているのかなど、全く知りませんでした。
弁護士によれば、連帯保証人であるさゆりさんに、残債を一括支払する義務がある、ということでした。
確かに、離婚の際にマンションは夫の名義にしたはずですが、それも元夫任せで、その当時は自分が連帯保証人であったという意識もありませんでした。
元夫も悪気があったわけではなく、登記の所有権名義を変更したのでした。
だから、妻の連帯保証は外れて、自分だけが債務者だと思っていたのです。
残債は1500万円、そのマンションの今の時価は1000万円です。
となると、競売になったら債務が残る可能性は非常に高いです。
つまりオーバーローン状態なのです。
幸せに暮らしていた日々だったのに、突然暗雲が垂れ込め、急な話でどうしたらいいのかわからなくなってしまいました。
さゆりさんは、競売だけは避けたかったので、任意売却 をすることにしました。
ただし、連帯保証人で債務者であるさゆりさんですが、マンションの所有者はあくまで元夫です。
それは自己破産することになっても変わりません。
そのため、元夫が任意売却に同意し協力してくれないと、競売で売却するしかありません。
早速元夫側の弁護士に会って、物件の査定書を提出しました。
さゆりさんが相談した業者は弁護士に、競売で落札されると800万円前後と予測されるマンションです。
これが、任意売却であれば、市場価格の1000万円前後で売却できるので、連帯保証人の負担が少なくなるメリットがあると説明したのです。
また、元夫もさゆりさんに迷惑をかけたくないという思いが強いということだったのです。
代理人弁護士と、元夫の同意をもらって、任意売却が始まりました。
売り出し価格は1200万円で、1100万円で売却することができました。
ここで、残った債務が問題になります。
任意売却で、できる限り減らせた借金ですが、およそ400万円弱の借金の請求はさゆりさんにくることになります。
離婚して、所有者名義が変わっていても、連帯保証は外れないからです。
→離婚しても夫の住宅ローンの連帯保証人だと借金を背負うことになる!
ただ、債権者との交渉によって、生活状況にあわせてできる範囲での支払いが認められました。
この違いがあるので、できるだけ任意売却を選択したほうがいいんですね。
また、元金から充当し、元金が完済されれば利息と遅延金は減免、もしくは免除するということにもなったのです。
昔の連帯保証の債務を毎月支払っていくことは辛いのですが、自分の方も自己破産はしたくないさゆりさんはできる限り返済していくことで納得していました。
離婚とお金って後々まで尾を引くものです。
離婚というと、お金に関して大もめにもめてドロドロの結末になるのはよくあることです。
特に 不動産 がからむ離婚問題は、その後の人生を左右しかねない多額のお金と住まいが争点なので、こじれることが多いです。
円満に別れたとしても、10年以上経ってから元配偶者の事情で多額の借金を追う羽目になることもあるんです。
10年以上経って、連帯保証人だとわかって、金銭的トラブルがあると、この離婚体験談のようにもし再婚などしていたら、今の配偶者はよほど理解ある方でないとまた離婚になってしまいそうですよね。
わかっているようで、なかなかわからないのですが、『所有権の名義』と『債務(ローン)』は別物です。
法律上は、
になるんですね。
「所有権」と「債務」が別物だと認識していないと、離婚時に名義(所有権)を変更したから債務(債務)も当然なくなる、と思ってしまうんです。
どっちがどっちなのかわからない方は多いのですが、これは大きな間違いです。
『連帯保証人』と同じような債務(住宅ローン)に関する仲間に『連帯債務者』、というものもあります。
連帯債務者は登記簿謄本に記載されますが、連帯保証人は記載されません。
ここもさらに連帯債務者や連帯保証人になった妻が、離婚するときにややこしくなってしまうところです。
住宅ローンが何社かの金融機関に分かれている場合でも、一社だけ連帯保証人になっていた、という場合もあります。
離婚する時にできる限り債務をきれいにするのがベスト
です。
売却ができなければ、借り換えなどができればいいですね。
もし、できなければ、自分が債務者として残っているという自覚だけでも持っておいたほうがいいです。
「離婚」を言い出す前にする『離婚』を考えたときすべき準備とは