配偶者が外国人の場合は離婚手続きは2倍かかる
外国人との離婚は手続きの複雑さは覚悟する
最近は外国の方と結婚する人も増えてきました。
本当に愛し合っているなら、「離婚」という考えも出てこないんでしょうけど、
文化の違いや、打算で結婚した場合には、すぐに離婚したいと思う状況になることもあるんですね。
国際結婚で結婚したはいいけど、文化や考え方があまりに違っていて、やっぱり離婚したい!
そう思うカップルも今はとても多いようです。
国際結婚で戸籍などが複雑になった上に、離婚となると、さらに複雑に感じてしまいますよね。
実際に、国際結婚の離婚は、戸籍関係など法律面でちょっとだけ複雑です。
日本にいる外国人の場合には、
ビザの期限切れが近くなると、日本人と結婚をして配偶者ビザを取得したいがために結婚する人もいたりします。
結婚したい女性の育った環境が貧しい国だと、家族に仕送りとしてお金を送金することを目的に、
日本人男性をお財布代わりに割り切って結婚することもあったりするとか。
偽装結婚も外国人との結婚で問題視されることもありますよね。
こういった外国人が配偶者の打算的な結婚と同時に、離婚する人も増えているんですね。
外国人パートナーと離婚となると、子供がいたりしたら戸籍などの手続き関係はさらに複雑です。
ましてや、その国の常識というものが違ったりするので、根本的に分かり合えないまま溝が深まったりしてしまいます。
ここでは、外国人配偶者と離婚したい場合の手続き全般について、国際的な決まりを紹介します。
相手の国にも同じ手続きがあるかがポイント
日本人同士の結婚に比べると、国際結婚の場合は離婚率が高いんですね。
日本人同士の離婚率がおよそ3割なのですが、国際結婚はなんと約7割が離婚する、という数字が出ています。
(厚生労働省「平成27年人口動態統計」より)。
離婚したいんですけど相手が 外国人 なんですよねぇ
配偶者が外国人だと、離婚の手続きとか大変そうで。。。。
確かに、日本の法律と違うので、相手の国によっては大変かもしれませんね。
最近は外国の人と結婚する人も増えているみたいですけど、離婚も多いんですか?
最近は日本も国際化が進んだせいか、国際結婚が増えてきているようですね。
それに伴って国際離婚もとても増えているのが現状です。
離婚するには、日本の法律だけが通用するわけではないのです。
原則は 相手方の住所地 の裁判所に調停・裁判を起こします!
相手が日本に住んでいれば、日本で調停、裁判を起こすことができます。
相手が外国に住んでいれば、その国の裁判所に訴訟を起こさなければなりません。
このように適用される国の法律を準拠法といいます。
ただ、夫婦で日本に住んでいたのに、相手が家族をほったらかしにして(遺棄して)帰国したり、行方不明になったり、国外追放になったりしたなど、特別な事情がある場合は、日本での裁判が認められます。
離婚が有効かどうか外国の法律も調べなきゃ
離婚の方法も国によって違うってことなんですね。
日本の協議離婚の制度は、世界でも最も簡単な離婚制度です。
協議離婚という夫婦の話し合いだけで離婚できる制度をとっているのは、日本、韓国(家庭法院の許可が必要)、中国など少ないです。
協議離婚制度がある国では、日本での協議離婚を有効なものとして認めています。
ただ、日本国内では法的に有効に離婚が成立しても、外国人配偶者が本国に帰ったときに、その国で有効に離婚したものとして認められるかはその国の法律によります。
外国ではそれぞれに離婚に関する法律を持っています。
例えば、夫からの離婚は理由を必要としないで、妻からの離婚については制限的にしか認めない法律もあります。
裁判による手続きを経た離婚しか認めないこともあります。
→協議離婚が認められない国もある
相手の国によって、離婚していたりしていなかったりっていう状態になっちゃいうんですね。
日本で、どこの国の法律が使えるか、を定めている、「法の適用に関する通則法25条・27条」というものがあるんですね。
これによると、離婚の場合、夫婦の一方が日本に生活を本拠を置いているときには、必ず日本の法律を適用する、とされています。
日本人の配偶者が日本で生活していれば、外国人配偶者がどこの国の人でも日本の法律が適用されるってことなんです。
日本で 家庭裁判所を使って離婚 すればたいがいは離婚できるってことなんでしょうか。
協議離婚が認められない国に配偶者が帰国する可能性がある場合は、裁判所を通した離婚(調停・審判・判決)をする方が確実な離婚ができます。
審判離婚は、裁判所の下した審判によって離婚が決定するものなので、本国法でも裁判所の関与したものであることから離婚の成立が認められるからです。
→審判離婚とは
離婚したのに、相手の国によって離婚していないって現代っぽくない面はあります。
外国人配偶者が離婚後もずっと日本で暮らすなら支障はないのですが、本国に戻るのであれば本国でも離婚が有効に成立したと認めてもらえる離婚手続きをとっておく方がいいです。
日本の判決が外国でも認められるための要件
調停 で決まったことは、日本では裁判と同じような効力ですけど、外国でも同じなんですか?
日本人配偶者が日本に生活の本拠を有する場合、日本の法律が適用されるので家庭裁判所の調停離婚をすることもできます。
しかし、調停制度も外国に同じ制度が必ずあるわけではないんです。
そのためには調停で離婚するとしても調停調書に「これは確定判決と同じ効力を有する」という一文が入っている方がいいです。
日本の法律上は当たり前のことをあえて記載する、ということですね。
逆に、外国で決まった離婚の判決が、日本でも有効になるってこともあります。
日本の裁判所でも、離婚判決を外国が認めるかどうかも、その国の法律によって決まります。
反対に、日本の法律が外国の離婚判決を有効だと認める要件は
- 日本の法令または条約でその外国の裁判権を否認していないこと
- 日本人被告がその裁判に応訴したか、あるいは訴訟開始に必要な呼び出し状を公示送達ではなく受け取っていること
- その判決が日本の公序良俗に反しないこと
- 日本とその外国が相互に判決の効力を認め合っていること
が必要とされています。
外国人パートナーと離婚のときに問題になるのが、子どものことと財産のことです。
離婚したいと思いつつ、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
国や文化の違いから、離婚後の財産のことについてこじれてしまうことも多いです。
だから、離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいいです。
もし日本で自宅などの不動産を所有しているのなら、売却したらどれくらいの価格になるかを出して、資産価値からの処分を検討しておきましょう。
直近の価格を知っておけば、安心な準備をすることができますよ。
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国際結婚の場合の離婚
国際結婚だと、離婚の手間も二倍かかります。
それぞれの国に、戸籍のような登録をするからなんですね。
国際結婚の離婚の場合は、同じように登録を抹消するので、手間も2倍かかる訳です。
国際結婚や離婚に関係するのでしょうけど、戸籍って日本独特って聞いたことがあります。
戸籍制度は、世界の中でも日本は独特ですね。
国際結婚での婚姻期間中、戸籍に記載されているのは、日本人だけです。
日本人が筆頭者の新しい戸籍が作られて、外国人○○さんと結婚した、と記載されるだけです。
このため、特に姓を変更する必要はないんです。
結婚時に外国人パートナーの姓に変更した場合は、そのままになるわけです。
その姓を日本の姓に戻すには離婚後、3ヶ月以内に、氏の変更の届け出をします。
子供がいる場合はちょっと大変かも?
子供は日本人の戸籍に入るので、筆頭者の日本人が姓を外国姓にしていなければ、離婚しても姓は変わりませんね。
でも、姓を外国姓にしている場合は、親が氏の変更届をした際に、同籍する旨の入籍届を出すことで親の新しい戸籍に入ることができて、日本姓を名乗ることができます。
たとえば、夫が外国人、妻が日本人の場合
<結婚時、パートナーの姓に変更していない場合>
筆頭者
斉藤 陽子(母)
斉藤 一郎(子)
↓
離婚
↓
戸籍は同じまま。子供は筆頭者の戸籍にいるので、戸籍も姓も変わらない。
<結婚時、パートナーの姓に変更した場合>
筆頭者
ジェームス 陽子(母)
ジェームス 一郎(子)
↓
離婚
↓
●か○
●日本姓に戻したい
↓
氏の変更届を提出(同籍する旨の入籍届も)
↓
筆頭者
斉藤 陽子(母)
斉藤 一郎(子)
同じ戸籍に入る
○母は日本姓、子は外国姓のままにしたい
↓
斉藤 陽子(母)
ジェームス 一郎(子)
別々の戸籍になる
国際結婚での離婚は国によって戸籍制度が違うので、国によって違います。
最終的には、各国の領事館なりに確認すべきところですね。
養育費の請求について
外国人と離婚したときに 養育費 とかも決められるんですか?
養育費に関して、どこの国の法律が適用されるかは、「扶養義務の準拠法に関する法律」というもの定められているんです。
- 子の常居住地の法律による
- 1.では子供が親から扶養を受けられない場合は、っこと相手の共通の本国法による。
- 1.2.によって子供が扶養を受けられない場合は日本の法律による。
と決まっています。
子供がどこに住んでいるか、っていう基準なんですね。
外国人と離婚はできたけど、養育費の支払いがとどこおってしまっていたら、弁護士に相談した方がいいです。
養育費は子供にとっての権利で大事なお金です。親の自分が泣き寝入りするのは子供への約束も自分が破っていることになるのです。
養育費の請求を自分で行う必要はありません。
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