夫婦別会計だったから言えずに離婚することに

夫婦の会話がない

→住宅ローンの滞納

→自宅を失う

→離婚


心が完全に離れた夫婦は、家庭内別居の状態になりがちです。

 

自分たち夫婦が選んだ結果としてなら、それはそれでかまわないはずですが、

 

そこに住宅ローンなどのお金の問題がからむと、きれいごとだけではすまされない現実に直面します。

 

夫と最近話もしていなくて、聞くに聞けないことがあるんですけど、住宅ローンの会社からたくさんの手紙が送られてくるんですよね

もしかして、住宅ローンとかのお金の流れとかわからないの?

夫婦別会計なの?

そうなんです。まったくどれくらいの残高があるのかなどぜんぜんわからなくて・・・

 

でも、家庭内別居状態なので話しかけることもできず・・・・

住宅ローンは滞納しすぎると 手遅れになるから、それだけは早く決着しておいたほうがいいですよ。

ここで紹介するのは、

 

家庭内別居の状態で、住宅ローンを滞納していたことすら知らず、突然、家を失ってしまう離婚体験談です。

 

 

家庭内別居だと住宅ローンもやばくなる?

10年前に購入したマンションが滞納処分される

 

夫婦で、10年前に東京都内に新築マンションを4500万円で購入しました。

 

住宅ローンの名義は夫、債務も全て夫です。

 

夫の仕事は食品関係の営業マンでしたが、妻はどれくらいの収入があるのかは把握していませんでした。

 

妻は、収入が少ないながらも医療事務の仕事をしておりやりくりは夫婦別会計でした。

 

住宅ローンとマンションの固定資産税などの税金、管理費、修繕積立金など関係する費用は夫が払い、

 

それに加えて生活費を5万円もらって残りは妻が出す、というルールでした。

 

子供が生まれたので、妻はいったん仕事を辞めたのですが、ひと段落してパートで再び近所の病院で医療事務の仕事を再開しました。

 

生活費は、妻の会社員時代の貯蓄もあったので、特に生活に困ることはありませんでした。

 

ただ、妻には以前から気になることがありました。

 

それは、夫の収入や蓄えなど、家のお金がどれくらいあるのかが全くわからないということでした。

 

その後、夫は転職をしました。

 

しかし、どういう職種でどんな会社に転職したのかは、妻にはまったく知らされていなかったのです。

 

その頃からだんだんと帰宅時間が遅くなり、土曜日や日曜日も仕事で、家族との時間が徐々に減っていきました。

 

帰ってきても週に一日、夜中遅く帰ってきて、朝早く出て行くというほとんど家に寄り付いていない日々でした。

 

そんな中、夫宛てに届く郵便物にカード会社の督促状のようなものが増えていったのです。

 

気にはなったのですが、夫はお金のことを聞くのをとても嫌がる人だったので、何も聞くことができませんでした。

 

そのうち、夫が生活費を入れるのもだんだんと遅れがちになりました。

 

夫は、「仕事が忙しいから」と言い訳して、家に帰らないことも多くなってきました。

 

妻の方も不満がたまって、夫に冷たく当たるようになって、家でもほとんど会話をしないで、家庭内別居状態でした。

 

しばらくして、自宅の水道が出なくなったり、生活していても”突然”起こることが多くなってきました。

 

気になっていたこれまで夫宛ての郵便物は絶対に開けることはなかったのですが、

 

ある日、住宅ローンを組んでいる銀行から配達証明で郵便が届いたのです。

 

突然の一括返済 3900万円

 

配達証明郵便なんて、いままで届いたことはほとんどありません。

 

気になった妻が開封すると、それは、住宅ローン滞納による「期限の利益の喪失」予告通知でした。

 

「期限の利益の喪失」とは、決まっている期限を過ぎて支払わなかった場合、

 

それ以降は期限に関係なく一括で請求が生じる、ということを意味します。

 

通知の内容は、

毎月の住宅ローンはおよそ15万で、9ヶ月分の90万円をあと一週間以内に支払え

というものでした。

 

そうしないと、ローン残高の3900万円を一括返済しなくてはならなくなる、というのです。

 

通知にはこうありました。

期限の利益の喪失予告通知

 

お客様の住宅ローンのご返済につきまして、再三のご請求にもかかわらず、未だにお支払いがなく、長期にわたり延滞されていることは極めて遺憾です。

 

つきましては延滞金を○月○日までにお支払いください。

 

万一、期日までにお支払いがない場合は、貴殿との契約に基づき、期限の利益を喪失させて、貴殿に対して融資金額全額を一括して返済するよう請求することになります。

 

なんと夫は住宅ローンを6ヶ月も滞納していたのです。

 

驚きを通り越して怒りに震える妻が夫に問いただすと、夫が言ったのです。

 

「転職して収入が激減した。

 

もともとは営業でかなりの人を相手にできていたんだけど、年を重ねるごとに労働状況が厳しくなって、

 

さらに業界が変わったことに追いつかなくなった。

 

それでどんどん収入が減って、支払いができなくなり、カードローンに手を出した。 実は多重債務 になっている」

 

と。

 

夫は、貯金も全くない、とのことでした。

 

妻も90万円を一括で支払う余裕はありません。

 

このままだと「期限の利益の喪失」になり、ローン残高3900万円を一括で返済する義務が生じます。

 

その後、支払うことができないと、競売になりマンションは売却される、ということになるのです。

 

収入源を妻に言えなかった夫


もともとは夫は営業マン時代、高収入だったんです。

 

しかし、実際はリストラの一環で、転職せざるを得なくなり、年齢的にやっと再就職した、というのが現実でした。

 

営業マン時代と比べると、収入は半分近くまで下がっていたのです。

 

家庭内別居状態だったこともあり、収入が減ったことを妻に相談できずに、一人で悩んでいたようです。

 

まずは妻に現状のすべてを開示して、今後のことを話し合うことになりました。

 

怒りの収まらない妻でしたが、夫がそこまで言えずに一人で悩んでいたということには、自分にも責任があると、反省しました。

 

6ヶ月分の一括返済は難しかったですが、銀行に相談して、3ヶ月分を一括で支払うということで、「期限の利益の喪失、一括請求」はまってもらうことができました。

 

今後住宅ローンや管理費を支払っていくのは、夫の収入からは厳しいということになり、マンションは 売却 することにしました。

 

さいわいなことに物件は人気のエリアにあったので、住宅ローン残高が全額返済できる金額での売却が成立したのです。

 

妻は、一度は離婚を考えたのです、ここでは踏みとどまって、家族で身の丈に合った生活をすることを決意しました。

 

夫の収入で無理なく払っていける賃貸マンションに引っ越して、少しずつ多重債務の借金を返済していくことになりました。

 

一度は離婚をとどまった妻が離婚を決断した


マンションを売却して、賃貸マンションに引っ越した一家は、カードローンの返済をしながら、つつまじく生活していました。

 

家庭内別居も修復させるべく、夫婦別会計だった家計を見直して、できる限りオープンにしていくことにしたのです。

 

もともと家庭内別居だった家庭は、ぎこちなくも1年ほどその状態は続いていました。

 

しかし、もともとあまり自分のことを話さない夫。

 

そもそも、男性は言いたいことを我慢するもの、と理解できない妻。

 

この溝が大きくなってきた時に、妻が過去のことを責め立てたのです。

 

「どうして、いつも何も言わずに勝手に決めるの!」

 

夫は、再び転職をしたことを、妻に相談せず黙っていたのです。

 

「だから、せっかく買ったマンションもローンが払えなくて、売ったんでしょう!」

 

もともとプライドが高い夫には、過去の汚点とも言える出来事を指摘されるのは、耐えられないことでした。

 

特に、自意識が強く、弱みを見せられない男性にありがちの性格が悪い方向に行ってしまうと、手が付けられません。

 

そう言われた夫は、だんだんと口数が少なくなっていき、また家庭内別居状態になってしまったのです。

 

会話をしたとしても、言い争いになって、本当につらかった記憶しかありませんでした。

 

妻は、「これが性格の不一致というものか」と一定の理解はしたものの、我慢の生活に耐えきれることはありませんでした。

 

今後のことを考えると、どうしても夫のカードローンの返済のために、夫婦を続けるという気持ちがもてないところまできていました。

 

そしてとうとう、離婚する、という決断をしたのです。

 

妻に言えないのは恐妻だから?プライド?

夫のプライドと妻への恐怖で収入減が言えない

 

もともと高収入だった人の特徴は、収入が減っても生活レベルを落とせずに困窮していくのですが、それを一人で抱え込んで多重債務に陥ってしまうケースが多いです。

 

それは、本人だけが悪いとは言い切れず、妻に相談できない、したくない、という夫婦関係にも問題があります。

 

妻が強いとか、口うるさくて話しかけづらいなどのケースや、夫自身のプライドの高さが起因していることもあります。

 

また、夫婦別会計の場合は、相手と懐事情を一緒にしたくないものですが、

 

住宅ローンや子供にかかるお金などはオープンにしておく方が、こういった事態に陥らずにはすむのかもしれません。

 

住宅ローンを支払うことができずに、最終的には売却にいたってしまうケースもよくあります。

 

人気エリアの駅近マンションならローンを完済するくらいの値段がつくのですが、実際の今の自宅の価格が住宅ローン総額より下の場合のほうが多いです。

 

そうなると、任意売却という手段を検討することになります。

参照→離婚での「任意売却とは」?

 

お金の問題がからみそうなら財産を把握しておく


実際の夫婦がお金の問題に直面したとき、「離婚する」という方向に行きがちです。

 

その場合、離婚したいと思ったら、ある程度、家にある財産を把握していると、心の余裕を持つことができます。

 

大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。

 

その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。

 

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